2006年08月07日

お買い物ポイント

管理人が記事でとりあげたせいか、隠し子サクラのところから涼犬生活の注文が入ったらしい。さっそく出入り業者からお礼の電話があった。
「毎度ありがとーごぜぇます」

「どーいたまして」

「ところでアフィリティエートやらん?」

「サイトに広告載せるっていうあれ?」

「そうそう。今回みたいにお客さんを連れてきてくれたら、売り上げの何パーセントか還元するよ」

「それは嬉しいが、広告載せちゃうと、マージン欲しくてお宅の商品宣伝してるみたいに思われるじゃん」

「まあ、そりゃそうだが」

「犬猫屋敷の管理人は、自分で使ってみて良いと思わないものは読者の皆さんにお勧めはしないよ。友だちから、悪いときでも貶したりはしないけど、気に入らなければ記事にしない」

「そっかぁ〜つまり、ちょっと奥さま、これお使いになった? っていう井戸端会議ノリなわけね」

「そうそう」

「でもお客さん紹介してくれたから、じゃあお礼にポイントつけてやるよ」

「ホント!? やったね! カイちゃんにナルトの首輪作ってやりたいと思ってたとこなんだ」

「ナルトじゃなくて《うずしお》だ」

「どう見ても天才バカボンのホッペのナルトにしか見えないが……」

「…………」

「ランチ1回分のお値段だろぉ〜それくらい買えよぉ〜」

「今月はもう予算オーバーしてんの。だいたい、1ヶ月に高級ランチ8回も食べるほどあたしゃブルジョアじゃない」

「じゃあ、ご紹介料として500ポイントつけといてやる」

「やったぁ〜手(チョキ)

ふつうのアフィリティエートだとせいぜいつくのは200ポイント前後である。それを500ポイントもつけてくれるとは、ショボイ堅実な越後屋にしては珍しく太っ腹なことを、と思っていたら……



数日後……


「ちょっと、お宅のシステム壊れてるよ」

「なんで?」

「きょう見たら、ポイントが300も減ってた」

「オレが減らしたの」

「なにぃ〜むかっ(怒り) なんで、勝手に他人のポイント減らすのよ!!!!」

「おまえ、この前オレのこと『ひげ面のオヤジ』って呼んだから」

「はぁ?」

「ひげ面のオヤジって言われて、オレの繊細な心が深〜く傷ついた」

「だって、アンタ、ひげ面じゃない! それにどう頑張ったってお兄さんって歳じゃないだろうが!」

「でも、むかっときた」

「そっそっそういうシステムなんっすか?」

「そう。そういうシステムにしたの」

「そんなのありかよぉ〜」

「何でもあり。だってオレの店だもん」

六口を誇る越後屋だが、口八丁手八丁の毒舌管理人にあれこれいわれ、悔しさのあまり枕を涙で濡らす夜もあるらしい。こともあろうに、その腹いせにポイントを減らすという手段にでるとは、ふてえ野郎である。

「じゃあ何? アンタを喜ばせるようなことを言えば、ポイントが増えたりするわけ?」

「そう」

「かっこよくてハンサムな越後屋さんとか言えば、1000ポイントくれるの?」

「歯の浮くようなお世辞の場合50ポイント減点」

「それじゃ一生ナルトの首輪がもらえないじゃないかぁ〜がく〜(落胆した顔)

「ナルトじゃなくて《うずしお》だ。なあなあ、小学校のころを思い出せ。人にひどいことを言ったときは、どうしろって先生に言われた?」

「ご……ごめんなさい」

「犬猫屋敷の管理人、250ポイント追加」

「けっきょく50ポイント減ってるじゃねぇ〜かよぉ〜もうやだ〜(悲しい顔)

「まっ、せいぜいがんばりたまえわーい(嬉しい顔)

ふつうお買い物ポイントというのは店主の気分しだいで変わるものなんだろうか? この調子では、次の大喧嘩の際には、せっかく貯めたポイントがゼロになってしまうかもしれない。減らされるばかりでは、いつまで経っても目的のグッズはゲットできない。そこで管理人も反撃に出た。
「そういえば、ちょっと添削してもらいたい文があるんだが。メールで送るからよろしく!」

「500ポイントつけといてね」

「バイト料、ポイントでもらうんかい?」

「そう。こんどからぜんぶポイントでもらうことにした。あと、この前うちに来たとき、タバコ持って帰ったじゃない? あの分もポイントにつけといてね」

「そうくるか」

「おう。減らされるばかりじゃたまらんからな」

「減らされないように口を慎めばいいだけだ」

「それは不可能。ぜったいに無理」

「口は災いの元っていうだろう」

「毒舌は生まれつきだもん。犬猫屋敷の管理人から毒舌をとったら、何が残る!?」

「何も残らんな」

「でしょ? だからぜったいポイント貯めてナルトの首輪をもらうの」

「買え」

「やだ! 意地でもタダでゲットしてやる!」

「…………まあせいぜいがんばれ」

「もしかしてさ、上目遣いのおねだりポーズしたら、タダでくれたりする?目

「気持ち悪いから200ポイント減点」

ちっ(怒った顔)

てなわけで、管理人はお買い物ポイントだけでナルトうずしおの首輪をカイにつくってやるべく、せっせとポイント収集に精を出している。このサイトを見て、Shy dogでお買い物の際には、「犬猫屋敷の管理人の紹介」とひと言、つけ加えてくださいマシね!

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ナルトの首輪欲しいよぉ〜

【管理人の独り言の最新記事】
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:43| Comment(5) | TrackBack(0) | 管理人の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月06日

掃除機

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せっせとクレートトレーニングをした甲斐あって、珍しく1ヶ月やそこらで2頭ともちゃんと「ハウス」のコマンドをマスターした我が家のバリケンだが、けっきょくどちらもそこに入って寝ない、というのが現在の管理人の悩みである。ほんとうにごくごくたまに、どちらかが中に潜り込んで、まったりしていることもあるのだが、夜寝るときはあいかわらず管理人のベッドで2頭とひとりが川の字になって寝ている。

やっぱりパピーのころからそこで寝る習慣をつけておかないとダメなのだろうか?と思いつつも、バラしたところで場所塞ぎなのは同じなので、けっきょく部屋の真ん中の場所を占領し、上にいろいろなものが積み上がって一種のピラミッド状態になりつつあるのが恐ろしいところである。

で、現在バリケンは何に利用されているかというと、これがカイちゃん専用のダイニングルームなのだ。

犬は餌の食べ方で2種類に分けることができる。ディーやカイのように餌をよく噛み噛みして食べる個体と、姫や管理人の隠し子である黒ラブのサクラのように掃除機のように吸い込むタイプだ。

とうぜんのことながら掃除機タイプは、とにかく食べるのが早い。餌皿に顔を突っ込むと息もつかずに一気に吸い上げるので、通常、姫は「いただきます」から30秒あまりで「ごちそうさま」に到達する。

ツチノコ兄弟は、姫より一回り口が大きいので、ほんらいならば先に食べ終わってもおかしくないのだが、むしゃむしゃ噛みながら味わって食べるタイプなので、食餌に短くても3分はかかる。ゆえに毎回先に食べ終わった姫が、ツチノコ兄弟の周りをうろうろし、残っている餌皿を凝視するという状態が続いていた。

姫をケージから出して一緒に食餌をさせるようになってしばらくは、ツチノコ兄弟が一瞬餌から顔を上げたとたん、姫が皿の中に顔を突っ込み大喧嘩になったりもしていたのだが、「そういうことはマナー違反だ」と時間をかけて教えた甲斐あって、いまは、管理人が「どうぞ」というまでは残り物にも口を出さなくなっている。だが、欲しいという気持ちを眼力に込めて、他犬が食餌をしているさまをじっと見つめる癖は直らない。

「ねえ、あんた、それ残すの? 残すんならアタシにちょうだい! ねえ、ねえ、残すわよね!」

そういう顔で見つめられると、気の弱いカイは一気に食欲がなくなるらしい。とくにディーがいなくなったいまとなっては、姫の「ちょうだいちょうだい光線」はカイに一気に注がれる。

そこで、先に食べ終わった姫にじろじろ見られないようバリケンをカイの食堂と決めたのだが、これがすこぶる調子がよい。姫に周りをうろうろされることもなく、残せ、残せと脅迫されることもなくなったので、カイはちゃんと自分の取り分を好きなだけ時間をかけて食べられるようになった。

ちなみに姫のほうも最近は心得たもので、カイがゆっくり食餌をしているあいだはバリケンのそばでおとなしくオスワリで待っている。で、食べ終わってカイがバリケンから出てきて、管理人が中から皿を回収したとたん、バリケンに飛び込んで飛び散った食べかすをきれいに嘗めとることにしているのだ。その後、管理人に「どうぞ」と言われたら、カイの皿もきれいに嘗めて、それで姫の食餌は終了する。

おかげで管理人は掃除をする手間が省けて大助かりである。

どんなに吸っても吸引力が落ちない、ダイソンなみの姫のような犬は、管理人のようなものぐさ飼い主にとって、一家に一台の必需品である。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:07| Comment(2) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月05日

バナナガード

なんでもいいけど、きのうは異常に暑かった。今年最高の38.6度を記録したところもあるらしい。平熱が異常に低い管理人は、体温が38.6度もあったらまちがいなく1週間は寝込むところである。東京は35度に達しなかったようだが、管理人の体感温度では40度以上あったような気がした。

で、そのフン暑いなか、管理人は友人とランチをしにでかけた。納期に追われて忙しいときは、デートの約束はすべて延期になるのが管理人のライフスタイルなので、仕事が一区切りついたとたん、友だちとの集会が目白押しになるのである。

今回、友人に会ったもうひとつの理由は、別の友人経由で買ってもらったあるお宝を受けとることにあった。

そのお宝とは……

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じゃ〜んるんるんその名もバナナガード


何をするものか、というとバナナを入れて持ち運ぶためのケースである。

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こんな風にパチンと開けましてね、中にバナナを入れるとぶつかったりしてバナナがグニョグニョにならずに済むという優れものざんすグッド(上向き矢印)

バナナだけではなく、キュウリ、ゴウヤ、細目のナス、にんじん、セロリなんかも収納可。

上述の野菜類にももちろん使えるのだが、管理人が一目見てこれに飛びついた理由は、バナナを携帯するためだけに、こういうものを作って売ってしまうというその馬鹿馬鹿しいまでのこだわりに惚れ込んでしまったからだ。おまけに、「研究開発を重ね、90%のバナナが収納可能な形に作りました」という強気な態度も気に入った。

これはひとつ、うちでも持っていなければならんだろう(左なぜ?)

ちなみに管理人の周りではいつも妙なものがアワ・ブームになるので、今回もバナナガードの存在を知ったとたんに欲しい欲しいという輩が集まって、10コまとめ買いすると100円お得、とかいうのに申し込み、みんなで分け分けすることになったのだ。

いま、管理人の周りではみんながバナナガードを持っているわーい(嬉しい顔)

で、バナナガードを使うには、とうぜん中に入れるものが必要なので、ランチの帰りにさっそくスーパーに寄ってバナナを買ってきた。世界の90%のバナナが入ると豪語しているわけだし、とうぜんかっちり入るだろうと思いきや……

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閉まらないがく〜(落胆した顔)

よりによって10%しかない入らないサイズのバナナを買ってきてしまったらしいあせあせ(飛び散る汗)無念だもうやだ〜(悲しい顔)

だが、ここでめげる管理人ではない。バナナガードには、バナナが蒸れないように空気とりの穴がついている。ということは中に入れたものの臭いが外にプンプン臭うということだ。この形、このサイズ……

犬に「銜えろ」のお稽古をさせるのに最適じゃんわーい(嬉しい顔)

というわけで、さっそく中におやつを入れて、カイに向かって「Take」と言ってみた。

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パクッexclamation


Good Boyexclamation×2

ここまでは良かった、ところが、カイったらバナナガードを口にくわえると、ダッと猛スピードでその場から逃げだした。

ちょっと待たれよ……管理人は「Take」と言ったのであって「Take it away」とは言っとらんぞちっ(怒った顔)

「Take」のあとは「放せ」で銜えたものを放させるというお稽古をしようと思ったのに、奴はおやつ入りのバナナガードをくわえてどこかに逃走しやがったたらーっ(汗)

おやつ欲しさに、カイがバナナガードを一気にかみ砕くのは火を見るより明らかである。せっかく買ったお宝を壊されてはたまらんので、管理人はカイを追いかけてソファまで追いつめ、バナナガードを取りあげた。

「カイちゃん、そうじゃないのね。もう一回やってみましょう。はい、『Take』」

パクッ……ダッダッシュ(走り出すさま)



だ・か・ら!



そんなことを3回ほど繰りかえしたところ、すっかりコマンドが定着した。カイにとって、「Take」というコマンドは管理人とおっかけっこができる楽しいお遊び開始の呪文として刷り込まれたらしい。

まっ、いつものことだけどね。カイが妙な誤解をしてコマンドをまちがって覚えるのは犬猫屋敷では日常茶飯事だし(ため息)

では、気を取り直して、
「はい、じゃあこんどは姫ちゃん、やってみましょう。『Take』」

パクッ……ダッダッシュ(走り出すさま)

もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔)

犬は互いの行動を観察してさまざまなことを学んでいく。管理人とカイのやりとりをそばでじっと見ていた姫は、カイの行動から「Take」の意味を即座に誤解したのである。

お気に入りのマットレスの上にバナナガードをくわえてよじ登った姫のところに、管理人はダッシュで駆けつけた。その表情を見て「あっ、ちがった」と思ったのか姫は即座にその場で伏せの姿勢をとった。

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「失礼、忘れてましたわ。いまはこれよね、フセね」


少なくとも「ダウン」が定着しているだけでも御の字なのだ……たぶんねふらふら

一からコマンドを教えるのと、言葉の通じない動物相手に誤解を解くののどちらがより困難かと言ったら、そりゃ後者であるのはまちがいない。さて、どうやってこの勘違いを正しい方向に導くべきか、管理人はふたたび頭をひねることになりそうだ。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:01| Comment(3) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月04日

イグアナ

うちは犬ではなくイグアナを飼っているのかもしれない、とふと思う瞬間がある。

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姫が香しい標的にロックオンし、頭を下げ、姿勢を低くして、がに股歩きのまま一気に臭いの元に突進する後ろ姿を見るときだ。

こうなると「ヒール」と叫ぼうがレバーを振ろうが奴は振り向きもしない。ちなみに地道な半年間のお稽古の甲斐あって、障害物がない場合はこんな感じでちゃんとハンドラーを見上げて歩くなんてことだってできるようになっている。

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こっちが止まれば、いわれなくてもその場でオスワリなんて芸当だってやってのける。そこだけ見れば、まるで正式なトレーニングを入れた名犬のようにさえ見えるのだ。ところが、何か良い「かほり」を嗅ぎつけたとたんに……

「行くわよ!」

「姫ちゃん、ヒールでしょ。ゆっくり!」

「うるさいわね、いま忙しいんだから、話しかけないで!

嗅ぐのが大好きな姫にとって、レバーはやはり究極のベイトにはなりえない。ある「かほり」にロックオンしてしまったときの姫は、五感がすべて臭覚に集中するので、もっと臭いが強いベイトでないと、きっと太刀打ちできないのだ。

世間では、ブルーチーズやヤギのチーズなんかを使っている飼い主さんもいるらしい。うちも試してみようかと、わざわざチーズ専門店を覗きにいったのだが、100g1500円の文字を見たとたん、貧乏飼い主はそそくさと店をあとにした。そこまでしてピシッとツケのしつけを入れるべきか、相談する相手が財布の中身というあたりが貧乏人の哀しさである。

むろん、アイデアだけでウン十年世渡りしてきた管理人である。もっと安価で手近な方法も考えた。1日中ブーツを履いていたあとの脱ぎたてストッキングや3日履いたあとのパンツなんかいけるのではないか、とわりとマジで考えたのだが、これは周りの犬飼い友に

「ほんとうにそこまでやりたいか、よく考えてみるように」

と諭された。たしかに、走りだそうとする犬に向かってパンツを振るのはかなり大胆な行動だ。

「もっとも効果的な方法は、その場でパンツを脱いで振ることだ」

とも言われたが、犬がピシッと横についてもその後恥ずかしくて近所を歩きまわれなくなるのでは意味がない。

そういえば、我が家でもう一頭飼っているイベリコ豚のほうも、何かを見つけてズンズンズンと歩きだすと油断したハンドラーはまずまちがいなく漬け物石のように引きずられる。こちらはすでに7年半もお稽古を続けているが、いまだ「ご意見無用」で何かに突進していく瞬間がある。こちらも真剣に、ベイト袋に乾燥したミミズの死骸を入れて持って歩くことを考えたのだが、それを手に持って盛大に振りたいか、と自分に問いかけるとさすがの管理人も躊躇する。

犬にとっての究極のベイトとは何なのだろうか?

飼い主の笑顔だ、という人もいるが、おそらくそういう人は、散歩の途中でイグアナやイベリコ豚に変身する犬を飼ったことがないのだろう。犬の嗜好にあった究極のベイトで、なおかつ飼い主も耐えられるという折衷案を見つけだすべく、日々試行錯誤を続ける管理人である。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 11:27| Comment(5) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月02日

失敗

門構えをリフォームするついでに、このたび、過去の日記を最初の1年分だけ復活させた。後半半年あまりは、ブログで書いていたものをテキストにコピーしただけなので、サイトにあげるためにhtml形式に整形しなくてはならない。一気にやるには量が多すぎたので、こちらは追々暇を見つけて1ヶ月分くらいずつ上げていこうと思っているが、いったん消した日記をなぜ復活させたかについて、少しだけ補足説明をしておきたい。

何人かのかたから、以前の日記をまた読みたい、まだ途中までしか読んでなかったのに、消えちゃって残念、もう一度サイトに上げて! というリクエストをいただいた。こんな素人の犬飼いオバサンの戯言を読んでおもしろい、と言ってくださるかたがいることじたい、とても嬉しいことなのだが、当初、管理人としては昔自分が書いたものをまた人目にさらすことに抵抗があった。

姫が我が家に来て、この2年で管理人は犬飼いとして大きく変わった。姫の問題行動に頭を悩ませたおかげで、否が応でも勉強せざるをえなかったし、おかげでさまざまな新しい事実に遅まきながら気がついた。いま読み返すと、姫が来た当初の管理人の対応は、まったくなっていないひどいものだ。姫の問題行動を助長してしまったのは、管理人の対応がまずかったせいなのは明らかだ。

自ら進んで恥をかこうという馬鹿な人間はいない。できれば他人からよく見られたいし、自分の失敗は隠しておきたい。

さまざまな理由があっていったんサイトを閉じたとき、過去の記録をすべて消したのは、スパムがたくさんついて処理が面倒になったのが一番の理由だが、心の隅で、みっともない自分をこれ以上世間にさらしたくないという心理が働いたのもまた事実である。

だって、以前書いていたことは、ほんとうにまちがいだらけなんだもんふらふら

にもかかわらず、もう一度わざわざその恥をさらそうと決めたのには、管理人なりの理由がある。まずひとつは、約3ヶ月間犬猫屋敷の管理人であることを止めたおかげで、バーチャル人格はしょせんバーチャルでリアルの自分とはかけ離れた別物だということを実感したからだ。バーチャルの自分を消し去っても、ふだんの暮らしで困ることなど何もなかった。却って自由な時間がたくさんできて、犬をグリグリする時間も増えたし、人間関係もすっきりしたおかげでストレスもきれいさっぱりなくなった。つまり、あれほど一生懸命になっていた犬猫屋敷というバーチャルの世界が、しょせんは架空空間の産物であるということを身をもって感じたのだ。

犬猫屋敷の管理人と本名の自分は、もちろん完全に別物ではないけれど、さりとて100%イコールになるわけではない。犬猫屋敷の管理人は自分の一部であって、分身ではないので、犬猫屋敷の管理人がいくら世間で恥をかこうが本名の自分としては痛くも痒くもないのである。だからあえて失敗を公開して大恥をかいても、べつにぜんぜんOKじゃん、と単純な管理人は思ったのだ。

もうひとつ、敢えて過去の失敗を公開しようと決めた理由は、犬猫屋敷を再開し、細々とでも続けていこうと決めたのと同じで、こんな素人飼い主の日常を綴る下らないサイトであっても、中にはそれで救われる人がひとりぐらいはいるかもしれない、という微かな期待があるからだ。

管理人は姫をもらった当初、何度も壁につきあたってほんとうにどうしていいか判らず、藁にもすがる思いであちらこちらのサイトを回っていた時期がある。「しつけ」「問題行動」などのキーワードで、それこそ何百というサイトをめぐったが、管理人の欲しい情報が載っていたサイトは残念ながらひとつも見つけることができなかった。

「無駄吠えの問題行動を繰りかえす場合は、まずオスワリさせて……」

すみません、うちの犬はオスワリができないんですけど……その場合の対処の仕方はどうすればいいんでしょうか?

「トイレのしつけは、したそうなそぶりを見せたら、トイレに連れて行き、できたらよく褒めてやりましょう。トイレの場所さえ覚えれば……」

姫は1日目からトイレがどこかは知っているんですが……それでも廊下でじゃーっとやっちゃう場合にはどうしたらいいんでしょうか?

日本に星の数ほどある「しつけに関するサイト」のほとんどが、失敗せずにしつけをする方法ばかり書いている。ついでにいえば、そのターゲットとする客層はこれから犬を飼おうとする人であって、犬としてはパピーが対象だ。すでに成犬になっている犬を家に迎え入れる家庭がまだまだ少ないこの国では、しつけといえばその対象がパピーオンリーとなっても仕方がない。だから多くの人が、成犬の躾なおしなど最初から無理と諦めてしまう。

じつは成犬の躾なおしとパピーのしつけは、やりかた自体は何も変わらない。ただ時間がかかるのと、それぞれの個体に応じて、時としてちょっとした工夫が必要になるだけだ。だが、失敗させないしつけの方法ばかりでは、すでに失敗してしまった飼い主は途方に暮れてしまうだけなのだ。

里親募集に出てくる捨てられた犬の多くは、一度失敗してしまった犬たちだ。

こういうことを書くとまたあちらこちらから石つぶてが飛んでくるのだが、姫をもらった経験と、一時レスキューに関わっていたころの経験から、少なくとも管理人はそう思っている。飼い主が鬼のような人間で、犬を物のように捨てるというケースもないわけではないのだが、ちょっとした工夫やトレーニングで直せるような1つか2つの悪癖が元で、犬に愛情が持てなくなって、結果的に手放してしまう飼い主も多いのだ、と管理人は思っている。そういう、すでに失敗を犯してしまった飼い主に、失敗しないしつけの仕方を教えたところで、あまり効果はないでしょう? それよりも、失敗してもいつでも取り返しがつくのだ、ということを説いた方が役に立つのではありませんか?

犬猫屋敷の管理人日記を読んでも、正しい犬の飼い方は判らない。即座に効果が出る問題行動の直し方も書いてない。ここに書かれているのは、不器用でものぐさなダメ飼い主とちょっと難ありのどこにでもいるふつうの犬たちのお気楽なご陽気犬飼い生活だ。何度も馬鹿な失敗を繰りかえし、それでも落ち込むことなく、諦めることもなく、なんとなく毎日平凡な暮らしを続けながら、きのうよりはちょっと成長した愛犬の姿に一喜一憂しながら日々の暮らしを続けていく。スーパードッグになる気もない犬と愛犬をスーパードッグにする気もない飼い主が、のんべんだらりと生活しているようすが、他人の役に立つとはとうてい思えないが、それでも、一時の管理人のように八方ふさがりで困り果てている人には、何かの助けになるかもしれない。

「なぁ〜んだ、これに比べればうちはぜんぜんふつうだわ」

「うちのポチは姫に比べればお手もできるしじゅうぶん優秀な名犬だ」

「オスワリに2年もかけてる管理人に比べれば、うちなんか半年でフセまでいったんだから、よっぽどわたしの方が優秀じゃん」

「あの管理人、立ち直り、早っ! そうか、犬のしつけに失敗したら、また一からやり直せばいいだけなんだ」

ここを見に来て何を考えるかは、読者のかたの自由だが、少なくとも失敗しても何度でもやり直しはきく、ということだけは、伝えられればいいなと管理人は思っている。

この半年で、姫は驚くほど成長した。試行錯誤を続け、失敗つづきだった1年半が嘘のように姫はごくふつうの、飼いやすい家庭犬に変身した。遅々とした歩みだが、少しずつコマンドも覚え、トイレの失敗もなくなり、散歩の途中やお留守番の際の吠え癖もほとんど気にならないまでになった。正直、管理人自身も何がきっかけですべてが上向きになったのかは判らない。ただひとつだけ言えるのは、何らかの理由で悪循環が断ち切られたことで、上昇気流に乗り始めたということだけだ。

犬との暮らしなんてじつはそんなものなのだ。ちょっとした悪癖のせいで飼い主が顔をしかめ、犬を褒めるより叱るほうが多くなって、犬はますますどうしていいかわからず問題行動を繰りかえす。そんなダウンスパイラルに入ってしまったら、行きつく先は飼育放棄だ。逆にちょっとした問題が起こっても、まあいいさ、とどんと構えているだけでも、じつは最悪の事態は免れる。犬に可愛い首輪や服を新調して、おしゃれをさせてみるだけだって気分はちょっと明るくなる。ぜんぜんちがうトレーニングを始めてみて、それが巧くできればうちの犬って天才かもしれないと思いだす。
犬との暮らしなんて、じつは平凡な日常の繰りかえしなのだ。小さな失敗を山ほど繰りかえしても、明日起きればまた新しい1日のスタートだ。

手前みそだが、敷物なしではフセができなかったうちの姫さまだが、なんとこの1週間で床の上でも伏せるようになった。いまではキッチン、廊下などほぼ家中のすべての場所で100%の確率でフセをするようになった。現在の最長不倒距離は玄関のたたきで、ドアの結界を超えるのもそれほど遠い将来ではない、と管理人は信じている。

オスワリの2年に比べて、ほぼ1年でフセを完成しつつある我がお姫さまに鼻高々な管理人であるわーい(嬉しい顔)

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 18:10| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月01日

プチリニューアル

ようやく納品が済んで、心に羽が生えたような気分になったので、屋敷の門構えをこんな風に変えてみた。

とはいっても、屋敷じたいはメンテに手が回らないので、あちらは倉庫兼ドッグランに使うだけなのだが、正面玄関がずっと妙な状態のままだったのが律儀な管理人としては以前からとても気になっていた。以前の日記を復活させて欲しいというリクエストもじゃっかんあったので、この際だからバックナンバーへの入り口をかねて玄関口をプチリニューアルである。

今回のテーマは「Simple is the best」だ。

当初、パウ柄の壁紙などを貼りまくっていたのだが、けっきょくこれに落ちついた。なぜだろうか、一般人なら顔をしかめるようなこんなデザインが、犬飼い管理人には心地よい。トップのフンアイコンは、このためだけに新調したお手製である。

いやぁ〜チャチャッと作ったわりには、我ながら良くできている(←自画自賛)。このリアルさがたまらんわーい(嬉しい顔)

え? なに? 悪趣味?

ふんちっ(怒った顔)なんとでも言うがいい。サイトのデザインは、シンプルで飽きが来ないのが一番よ。どうせ正面から入ってくる人はあんまりいないんだし……最近はみんな直接ここにやってくる。

だいたい、可愛いパウ柄とかのキラキラしたトップから入ってきてみたらこの日記じゃ「詐欺だ!」って思うだろうし。その点フンをクリックして入ってくるような人は、その時点である程度の覚悟ができているはず。

ともかく、今後も時間を見つけて少しずつ過去の日記は上げていきますので、こちらのほうもどうぞよろしくるんるん
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 02:36| Comment(7) | TrackBack(0) | 管理人の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月31日

冷え冷えベッド

お客さまモニターとしてタダでやったクールボードのフィードバックがない!と出入り業者に叱られた。
「せっかく高い物をやったのに、もらったきりで音沙汰なしって、どーいうことよ!?」

「だって、感想述べようにも、使ってないからわかんないんだもん」

「使ってないだと!?」

正確には、使いたくとも使えなかったのだ。越後屋製のクールボード「涼犬生活」の売りは、タイル状のボードを組み合わせて使うので、冬場の収納が楽という点だ。ところが、我が家に持ってきてみたら設計上の重大な欠陥が見つかったのである。

「タイルが動いちゃって、犬たちが怖がって乗ってくれないの」

「なんで動くのさ!」

「だって、うちは床じたいが歪んでんだもん」

うちのコのサイズだと6枚を敷き詰めることになるのだが、たしかに床が平らなところであれば、アルミのタイルを置いただけできちっとはまるのだ。ところが、床が歪んでいるうえに、デカ犬は体重があるのでちょっと身体を動かすだけで、クールボードがずれてしまって、それが犬にとってはとても気持ちが悪いらしい。

「だからさ、使えないのよ。でも冷やっとして気持ちいいから、管理人の足乗せに使おうかと思ってんだけどさ」

「……盲点だったな」

「だね。アイデアは良かったんだが……」

「でも滑り止めのゴムとかつけるとコストがかかって値段を上げざるをえないしなぁ〜」

「滑り止めのゴム程度じゃダメ。やってみたけど、うちだとやっぱりずれちゃうんだ」

「ふつうそれで使えるはずだぞ? おまえんちってよっぽど傾いてんじゃないの?」

「傾いているよ。犬部屋は明らかに目で見えるくらい床が歪んでんだもん」

「それ、身体に悪いと思うぞ。建て替えろ」

「関東大震災2がきたら一発で倒れるから、そしたら建て替えようと思って待ってんだけどさ……来る来るっていいながら、なかなか来ないのよね、大地震」

「…………」

「ともかく、ふつうの家なら問題なく使えるはず。うちの場合は特殊だから、床が傾いてて、なおかつ犬の体重が重いっていう二重苦ですからね」

けっきょくその後は仕事が忙しかったのでしばらく放っておいたのだが、先日ふとアイデアが浮かんでちょっとばかり小細工をしてみることにした。

デカ犬コンビがクールボードを嫌がるのは、床がずれる感覚が気持ち悪くて怖いからだ。そこで、ぜったいに動かないよう6枚の板をきちんと固定する方法を考えたのだ。まず、床にクッションシートまたは滑り止めのゴムを敷く。それだけでは、やはりタイルが動いてしまうので、タイルの裏にガムテープを貼ってタイルどうしを密着させる。そうすればうちの犬の体重が乗っても簡単にタイルがずれることはない。これならしまうときは裏のテープを剥がせば良いだけだし、一石二鳥というわけだ。

そうしておいて、おやつをあげながらボードのうえにしばらくステイさせてみると……

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冷たくてエエ感じ、ということに気づいたらしい。やったねGood

「そっかぁ〜、でも固定しないと使えないんじゃ辛いかなぁ〜」

「うちみたいな例は希有だと思いますけどね。たいていの家は問題なく敷くだけで使えるさ」

じっさい、他のショップで値段を調べたところ、ほぼ同じ材質、同じ仕様のものが倍以上の値段で売られているのだ。むろん、そちらは可愛いパウマークなどが入っていたりするのだが、柄が入っていようがいまいが、使用感は変わらない。

「ガムテープで貼り貼りする手間を考えても、この値段なら管理人は買うね」

「そう?」

「うん。賢い消費者は1円でも安くて品質の良いものを探し求めるものですわよ」

「そっかぁ〜」

「あぁ〜もう1セット欲しいなぁ〜涼犬生活! ほら、うちって2頭いるじゃない? それぞれに冷え冷えベッドがあってもいいと思うんだけど?」

「もう1セットはお金出して買ってください」

さすがに2匹目のドジョウは無理だった。来年の夏までに貯金して、もうひとつ買ってやるとしますかね……
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 16:17| Comment(5) | TrackBack(0) | 管理人の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月30日

おっ……終わった

管理人は、思いっきり脱力している。

今回生まれて初めて納期遅れを起こすかと思ったが、ようやくギリギリセーフで間に合った手(チョキ)
友人との約束では時間通りに来た験しがないと評判の管理人だがあせあせ(飛び散る汗)じつは仕事に関しては決して納期遅れを起こさないので有名なのだ。

出来はともかく、納期だけはきちっと守る。これが管理人のポリシーである。

業種はちがうが、以前自営業の友人が言っていた。

「オレらの仕事は、早い、安い、うまいの三拍子揃ってないと競争に勝てねぇ〜んだよ」

自営業者なんて、一部の特殊な業種を除いては、みんな牛丼ショップのようなものなのだ。管理人の業界だって同じようなもの。それこそ特殊技術とも言えない誰でもできる仕事なので、きちんと納期通りに仕事を仕上げないと、ぜったいに次の仕事は来ないのだ。

多頭飼いの家で、一番にコマンドにしたがった犬以外はレバーをもらえない、みたいなものである。

管理人は一番に仕事を上げないと、むろん美味しいものはもらえないが、こんな風に同じ顔の犬たちが並んでちょうだいって顔していたら、やっぱり全員に美味しいものを振る舞っちゃうのは、これ人情わーい(嬉しい顔)

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 管理人の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月29日

伏せたくさせちゃおう、強情犬

フセの成功率が一番高いのはベッドやソファーの上だった。

フセ計画が始まって数ヶ月で、奴はひづめ欲しさに嫌々ドッグベッドの上で伏せたのだが、その後は鳴かず飛ばずで、ほんとうに忘れたころにやってみる程度で、フセのコマンドが入っていると言うにはほど遠い状況が数ヶ月続いた。それでも、偶然か奇跡か、数回成功したことがあるのだが、それはいつも姫がベッドやソファの上に乗っていて、管理人がそばに座り込んでいるときばかりだ。

そこで管理人は考えた。もしかして、飼い主の視点が姫には重要なのかもしれない。上から見下ろされる状況が心地よくないとしたら、床ではぜったいにフセをしないのも頷ける。

そこで、オスワリのときにやったように、姫がフセの姿勢で休んでいるのを見かけるたびに、大げさに褒めちぎる褒め褒め攻撃を続けるかたわら、我が家で一番高い位置になるベッドの上の犬用マットレスで集中的にフセのお稽古をしてみることにした。姫がマットレスに乗っているとき、管理人が床に座れば、姫と管理人の視線はぴったり同じ位置になる。

じっさい、フセの姿勢で蹴られたことのある犬は、人間がそばに近づくと慌てて起きあがるという話もあった。姫がそのような虐待を受けていたかは知らないが、ともかく上から見下ろされることに不安感があるのはまちがいない、という気がしてきた。

で、マットレスの上でのフセ集中トレーニングを始めたところ、最初は30回に1回、そのうち20回に1回というように、だんだんと成功率が上がっていった。

そんなことをしている最中、ディーの病気が発覚し、管理人は姫のフセトレーニングどころではなくなってしまった。ちょうど仕事が入っていたこともあって、ディーが闘病生活を送っていた約1ヶ月は、カイや姫の世話までほとんど手が回らなかったのだ。

いわば、この間姫はネグレクトされていた状態だった。管理人が驚いたのは、姫がその状況に対して一切の抗議行動を起こさなかったことだ。いままでのパターンから行くと、自分が無視されたりしようものなら、物を破壊したり糞尿をまき散らしたりして、目一杯の抗議行動をしていたからだ。

その1ヶ月間、姫は一度も怒られることをしなかった。ディーを見送り葬式を済ませてふと気づけば、いつの間にか廊下でのお漏らしなしの記録も2ヶ月以上の新記録を更新していたのだ。

ディーの葬式と前後して仕事もいちおう片づいたので、管理人はこれまでの埋め合わせとばかりにカイと姫をグリグリしまくる生活に戻った。もちろんトレーニングも再開したのだが、正直、丸々1ヶ月空いてしまった以上また一からやり直しも覚悟していたのだ。

ところが……

驚くことに姫は「ダウン」のコマンドを忘れてはいなかった。それどころか、一気に成功率が100%にまで上がったのである。

無視され続けた1ヶ月で姫は姫なりに考えたのかもしれない。フセをすれば管理人は小躍りして喜ぶこともちゃんと知っていた。だから、ようやく管理人に振り向いてもらえることになったとき、ぜったいに褒められると判っていることを自らやって見せたのだろう。

犬という動物は人間が考えているよりもずっと利口ですばらしい、と管理人が思うのはこういうときだ。とくに一般的にはコマンドが入れにくい訓練性能が低いダメ犬と思われがちなハウンド系は、まわりの状況を見極めて何をすべきかを自ら判断する能力に長けている。姫にとって、そのとき一番欲しかったのは管理人の注目だ。何しろ1ヶ月ものあいだ、いくら欲しても与えられなかったのだから。それが手に入ると判った瞬間、どうすればいいか、姫はきちんと判断したのだ。

犬のしつけには波がある。管理人は専門家ではないので、体験だけからしか言えないが、パピーのしつけというのは基本的に常時上向きのコンスタントな上昇カーブだ。それに対して、姫のように一度しつけに失敗した成犬の躾なおしの場合、そのカーブに波がでる。巧く上向きでコンスタントに上がるときはいいが、まったく成果が見えなくて投げだしたくなる時期もある。だが、その時期を超えればまた緩やかな上昇カーブが始まるのだ。管理人のようにいつかはまた上向きになると知っていれば、成果が見えなくとも続けることはできるのだが、たいていの人は、これがこの犬の限界だ、と諦めてしまうようだ。

最近管理人がことあるごとに「問題行動でもあまり気に病まないで楽しくいこうよ」と言っているのはそのためだ。犬との暮らしで、何もかも巧くいかなくてイライラする時期というのは誰にでもあるのだ。そこで巧くいかないものを無理矢理続けてますますストレスを溜めるくらいなら、べつにいいじゃん、と腹をくくって他に目を向けて見るのも大切だと思うからだ。トレーニングは休めば後退することもあるが、取り返しのつかない後退などありえない。飼い主も犬も嫌気がさしているのに無理にトレーニングを続けるくらいなら、いっそぜんぶ止めてしまってもかまわない、と管理人は思っている。それでも、いつだってやり直しはきくのだから。もしそこでやり直しがきかないとしたら、成犬の躾なんて最初からできないわけだし……

ともかく、そんなこんなで姫は犬用マットレスの上でなら、どんなときでもフセができるようになった。むろん、最初は管理人だけが見ている前で100%まで精度を上げ、その後、家人を部屋に連れ込んでその前でやらせる練習をした。最後はお客さまが来たときに前でやらせてみたのだが、天敵の子どもが部屋にいる状態でもちゃんとできるようになったので、フセトレーニングファーストステージはみごとにクリアということになった。

ほら見てみぃ〜ちゃんとフセができるようになったぞぉ〜

管理人としては、胸を張って世界中に吹聴してみたい気分なのだが、ここでまたもや大きな落とし穴に気づいたのだ。

姫はたしかにマットレスの上でならちゃんとフセができるコになった。だが、大好きなマットレスがないとまだダメなのだ。ということは、姫のフセを世間にお見せするためには、どこにでもこの巨大なマットレスを持ち歩かなくてはならない(涙)

というわけで、現在は持ち運びができる座布団サイズまで敷物を小さくすべく、ドッグベッド→大型クッションとせっせと縮小化に精を出している管理人なのである。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:10| Comment(4) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月28日

伏せぬのなら

2年がかりで姫のオスワリを完成させた管理人にとって、次の姫ちゃんプロジェクトは何とかフセをさせることだった。

去年の秋、犬友たちと河原でBBQイベントをしたとき、我が家の3頭はフセができない、という驚愕の事実が発覚した。姫はともかく、ツチノコ兄弟に関しては、いちおう躾本に書いてある最低限のコマンドは入れたはずなので、できないわけはないのだが、素人飼い主は1歳過ぎで「ダウン」といったらフセをすることができるようになった時点で満足して、その後の反復練習を怠った。おかげでディーもカイも「ダウン」のコマンドの存在すらきれいさっぱり忘れ去っていたのである。

「フセぐらい、やらせられるやい!」

売り言葉に買い言葉で啖呵を切ってしまった手前、何年かかってもフセをさせないわけにはいかない状況に追い込まれたのだが、その当時姫はまだBBQの会場でも一瞬しかオスワリができない状態だった。

あんなこと言っちゃって、ほんとうにできるようになるんかい?

正直、管理人自身も半信半疑だった。しかし、大見得切った手前「できませんでした」と言うのもしゃくに障る。というわけで、姫にフセをさせるという壮大な計画が始まったのである。

ちなみに、ツチノコ兄弟は、3ヶ月もしないうちに「ダウン」のコマンドを思いだした。何しろ最低限しかコマンドを入れないずぼらな飼い主の犬たちである。オスワリ、お手など一通りやったあとで、それでもレバーがふるまわれないと判った時点で「もしかしたら、ずっと前にやったこれっすか?」みたいな顔で2頭ともちゃんとフセができたのだ。三つ子の魂百までとはこのことだ。下手くそながら、とりあえず最低限のコマンドだけは教えておいて良かった、と管理人は胸をなでおろしたのである。

だが、問題は「フセなんて、ぜったいしないわよ、あたしは!!!」と頑張って仁王立ちになっているお姫さまだ。フセのできない犬の場合、あのフセのポーズをもともとやらない、知らない犬であるケースもあるらしいのだが、姫の場合は部屋で休んでいるときはちゃんとフセのポーズをすることから、これはちがうとすぐに判った。つまり、オスワリの時とどうように「やりたくないから、やらない」だけなのだ。

いちおう念のため、世間の躾本に書いてある、前脚を引っぱる、膝を立ててその下をくぐらせるなんていうフセを教えるノウハウもすべてやってみた。むろん、そんな子供だましの手に引っかかる姫さまではない。一通りやった時点で、ますますへそを曲げて、しばらくは「ダウン」と言われただけでその場から逃げだすような状態にまでなってしまった。

こりゃぁ〜またオスワリと同じように長期戦でいくしかないわけね(ため息)

考えてみれば壮大な計画だが、オスワリで一度成功した経験から、そのうちできるようになることは判っていた。そこで、オスワリの時と同じように、なぜやらないか、というところから考えることにしたのだ。

ふつう、嫌がる犬にコマンドを教える場合、犬がぜったいにそれを手に入れたいと思うような報酬を前にぶら下げてやるのが効果的だ。たとえばレバーを見せて、これが欲しいなら「フセをしろ」と言えば、遅かれ早かれ犬はそのコマンドに従うようになる。ツチノコ兄弟の場合は、これでたいていのことはやらせられる。ところが、姫の場合にはそれが効かないケースがあるのだ。たとえばクレートトレーニングに関しては、姫は驚くほどの早さ(約1ヶ月)でハウスのコマンドをマスターした。ところがオスワリには1年以上かかった。姫にとって、クレートに入ることはイヤではないし、そのうえ美味しいおやつがもらえるのなら、喜んで中に入るのだ。ところが、オスワリの場合はレバーぐらいでは割に合わない「座りたくない理由」があったのだ。そういうときには「座りたくない理由」を「座りたい理由」に変えてやる以外、姫に喜んでオスワリをさせる手段はない。

これがオスワリを教えて管理人が学んだ姫用のトレーニング方法である。そして、今回もまた姫には彼女なりに正統な「伏せたくない理由」があるようだったのだ。

ツチノコ兄弟はパピーから管理人が手塩にかけて育てた犬だ。ゆえにディーやカイが何かをしたくないと思うとき、管理人にはたいていその理由が即座に判る。前にこれをやったときこういう怖いことがあったから、とか7年間の記憶をひもとくことで、ほとんどの場合はこれだ、と思う状況が頭に浮かぶのだ。だから、ツチノコ兄弟が何かを「やりたくない」と拒否した場合には、その嫌な理由を取りのぞいてやるのは比較的たやすい。ところが、姫の場合はうちに来るまでの5年ほどの犬性がすべて謎の包まれている。ゆえに、なぜフセをしたくないのか、という理由を推理するしかないのだ。

幸い管理人はミステリーやパズルを解くのが大好きだ。ゆえに、姫がぜったいにやりたくないと思うものに関して、ぜったいにやらせてみよう、とますます燃えるのである。ミステリーの謎解きに一番必要なのは、観察して状況をきちんと把握することだ。というわけで今回もさまざまな状況でダウンのコマンドを試してみて、姫がどういう態度を示すかつぶさに観察することに約3ヶ月を費やした。

そうすることで、ついに、これは! と思うパターンを見つけだすことができたのである。

(つづきは明日)
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする