2006年09月04日

晴れ舞台

苦節1年、ようやく部屋でのフセができるようになった姫さんだが、その後驚くばかりの早さでフセができる範囲が広がっている。

マットレスの上でフセが100%できるようになって2週間後には、玄関、廊下、キッチンなど家のなかのどこでもフセができるようになった。それもマットレスがなくても、である。

おぉ〜ブラボーッ!

ある天気の良い朝、験しに庭でレバーを振ってみた。

「ダウン」

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オッケェ〜!!!!!

毎度のことながら、いったんできるようになると、馬鹿のひとつ覚えみたいにやりまくるのが姫の特徴なのだ。だから、いまのトレンドはフセ、と覚えたとたん、姫はどこでもかしこでもフセをしまくる。

「さあ、伏せるわよ、いつでも言って!」

とばかりに、床にはいつくばる姫さんなのだ。

たとえ、それがぜんぜん見当違いの場所であっても……

誰も「ダウン」とは言っていなくとも……

姫にダウンのコマンドが入っているのかどうか、それは正直いってまだだと言わざるを得ない。ダウンと言えば伏せることは伏せるのだが、いまは何を言っても伏せるので、コマンドが入ってるというレベルまでは行っていないのだ。

ただ、管理人さんが喜ぶし、褒められて美味しい物がもらえるから、姫はここで伏せるわ。

まあ、その程度のことなのだ。どのレベルで、コマンドが入っていると言うかは、飼い主によってさまざまだろう。管理人の場合は、あらゆる状況で、誰がそのコマンドを発しても100%できるようにならないとコマンドが入っているとは言わないことにしている。だから、うちのコたちはほとんどコマンドが入っていないもどうようだ。

まっ、ここら辺は管理人の考え方なので、放っといてって感じなのだが。

ともかく、無事庭でのフセができるようになった姫さんは、1週間も経たずして散歩の途中の公園や、道ばたでもちゃんとフセができるようになった。むろん、周りに人や犬がいたり、車が駆けぬける横ではまだ無理だ。ただ、道ばたということで、いまは管理人が横に座り込むということをしなくなったので、上から見下ろされていてもちゃんとフセができるようになったのは、姫としては大進歩だ。

あと1週間で、姫のフセをもう一段階上のレベルまで到達させることができるだろうか?

次の日曜日の「犬猫屋敷、秋の園遊会」で、犬友の見守るなか、姫のフセをご披露することができるのだろうか?

皆さまの賞賛を浴びることを夢見て、せっせっ、せっせっとお稽古に励む管理人である。

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 15:27| Comment(7) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月01日

コングを100倍楽しむ方法

管理人がコングの存在を知ったのは、ツチノコ兄弟を我が家に迎えてすぐのことである。どうやら、世間にはコングというゴムのおもちゃがあり、子犬を育てるうえで是非常備していなければいけないグッズである、てな話は知識として知っていたのだが、ペット用品コーナーで見たところ、お値段がちょっとばかし高かった。その横に、半額以下の値段で同じようなゴムのボールが売られていたので、

「2つ買うのは高いし、まっ、いいか、これで。穴は開いてないけど、機能は同じようなもんだろう」

と安いボールを買い、それで満足していたのだ。

せこい初心者飼い主が陥りやすい落とし穴である。当時、管理人はコングのほんとうのすごさを知らなかった。

投げると妙な方向に転がるフンみたいな形をした変なゴムボール。なかに餌を詰めることもできるらしいが、転がると餌がこぼれて楽しい、程度の認識しかなかったのだ。

お留守番の友とか言っちゃってるけど、投げる人がいなきゃ転がるボールだっておもしろくないじゃん!

これが、初心者飼い主のコングに対するまちがった認識だった。穴がなければコングじゃない。詰めるということがコングのすごさ。その基本的な事実に気づいたのは、姫が我が家にやってきて、管理人の外出時に姫がお寂し鳴きを繰りかえし、一緒に留守番している家人がノイローゼになりかけてからである。

こりゃ、なんとかせねばならん。と管理人はさっそくネットの世界に旅立った。まずは日本語ページをくまなくクルーズ。だが、そこには管理人がすでに知っている程度のことしか書かれていなかった。
お留守番のときはコングを与えるとおとなしく待っていることができます。

だ・か・らぁ〜何でなんだよぉ〜フン型のボールを転がすぐらいじゃ、姫さんは黙ってくれないんだよぉ〜

管理人が、自分のまちがった認識に気づいたのは、英米のコング・レシピサイトを見つけたときである。

あに? コングって、こんなにいろいろなものを詰めちゃっていいもんなの? ええ??? 電子レンジでチンとかしてもいいんだ。うっそぉ〜、凍らせるなんてのもあり?

英米のコングサイトを見てまわるとわかるのだが、世界にはまさに数百万のコングレシピというのが存在する。それぞれの家で、それぞれの飼い犬の好みに合わせた調合というのが存在するのだ。

果物好きの犬には、バナナをペースト状にして、そこにドライフルーツを絡めたバナナラマ。肉がお好みの犬には、ジャーキーやらボイルした肉をチーズに混ぜてやるのもいい。外で遊ぶ用には肉を煮た煮汁を凍らせてアイスコングを作るのがお薦め。

まさに何でもありなのだ。なかには、オイオイ、こんなものまで詰めちゃっていいんかい? と思うような奇想天外なアイデアもある。

管理人の頭にあったのは、コングに詰める=乾きものというイメージだった。何しろ大型犬用であっても人間の手は入らない凸凹がついているコングである。へたにチーズやらペーストやらを塗りたくると衛生上問題がある。

ところが、食洗機が各家庭に普及している欧米では、コップや皿と一緒にコングもディッシュウォッシャーにつっこめばいいのである。験しに、手洗いでざっときれいにしたあと、食洗機に入れてみたら、あらみごと、まるで新品みたいにぴっかぴか。

なるほど、ここが欧米レシピと日本のコングの使い方の基本的なちがいか。コングは、欧米ではいわば皿の役割も担っているわけである。むろん、日本ではまだまだ各家庭に食洗機があるというわけではないし、人間の食器と一緒に犬のものを洗うのには抵抗があるという人もいるだろう(欧米型の食洗機の場合高温で濯ぎ乾燥をするので殺菌効果もあるのだが)。そういう人は、子供用歯ブラシを駆使すると、けっこう奥のほうまできれいにすることはできる。

で、コングに詰めるものは、まあ何でもいいのだが、その詰め方には流儀がある。細い方(小さな穴が開いているほう)を上にした状態で説明すると
1.アペリティフ……小さな穴に犬がとびきり好きなもの、めったに食べられないご馳走を一かけ詰める。もしかすると、なかにこれがぜんぶ詰まっているのでは!?と犬に思わせるのがポイントである。たとえばレバー、ジャーキー、チーズなど

2.デザート……一番細いくびれと小さな穴の下のあいだに、これまた犬がとっても好きなものを詰める。この部分は、犬が最後まで執着するところなので、是非ともこれを食べたい、そのために頑張ろう、と犬に思わせるものを詰めるのがよい。たとえば、茹でた砂肝、ささみなど

3.メイン……下2/3には主食となるものを詰めまくる。たとえば缶詰フードに混ぜたドライフードとか、チーズに混ぜたマカロニ、ご飯とドライフードを混ぜたものなど、要は何でもいいのだが、一般的にペースト状にしておいたほうが、コングの保ちは良くなる。

4.前菜……最後に中身がこぼれないよう、大きな穴を塞ぐのだが(とろけるチーズを貼って電子レンジでチンがお薦め)、その際に、簡単に食べられるようジャーキーなどがつきだしていると、ますます犬にやる気を起こさせる。

犬にやる気を起こさせる。何としてでも、この中の食べ物をゲットしてやるぞ、と思わせることが、巧くコングを利用する秘訣になる。ゆえに、詰め方だけでも、じつは個体の性格によって変えてやらねばならぬのだ。

たとえば、食べ物が目の前にあれば、どんなことをしてでも食べてやる、という姫のような犬と、食べ物にあまり執着しない、どちらかというと飽きっぽいディーとでは詰めるコツがちがうのだ。ディーの場合には、4の前菜をたくさん、とりやすく入れておいてやることで、コングに対して執着するようになる。逆に姫に対してはそうとう難度の高い詰め方をしても、奴はたいていきれいにすべてを食べつくす。逆にあまり簡単すぎるとあっという間に食べてしまったコングに入れる意味がない。

欧米のコングサイトを見ていると、「凍らせろ!」とやたらめったら書いてある。

これはあまり日本では知られていないやりかただが、中身を詰めたコングを凍らせる、というのは犬の興味を長続きさせるとても効果的なやりかたなのだ。

コングのなかにおやつ類(主に乾きもの)をギューギューに詰めこむと言っても、じつは限度がある。あまり詰めこみすぎると犬の力では取り出せなくなり、成果がなければ犬もつまらないので、おやつ入りのコングがそのまま床に転がっているなんてこともよくある話だ。そこで冷凍庫が登場する。コングじたいを凍らせると、犬は最初は中身を取り出せない。ところが、嘗めているうちにだんだんと溶けてきて、しだいに中身が出てくる。犬にしてみれば、それがおもしろくてたまらない。もっと、もっと、頑張れば美味しいものが出てくるかもしれない、と思うことで犬はコングに執着する。

だから、3のメインの部分にはペースト状のものを詰めるのが良いのだ。ペースト状にしておけば、ガチガチに凍っているあいだは、なかなか中身を取りだすことができない。ついでにいえば、前の晩に作っておいて凍らせておけば、朝、冷凍庫から出して与えるだけで済むので、管理人のように毎朝時間に追われる飼い主には一石二鳥の妙案だ。

コングのレシピは、ほんとうにネットで探すと山ほど出てくるし、そういうものを参考にするのもよし(Googleなどでkong recipesと入れて検索をかけると5百万件ほどヒットする)、また我が家の究極のレシピを開発するもよし、それぞれが思いのままに楽しめるのが、これまたコングの優れたところだ(英語ですが、管理人お薦めの充実コングレシピのページはこちら)。

コングはいわば、飼い主と犬の知恵比べ。いろいろ考えてレシピを開発したり詰め方を工夫するのも犬を飼う楽しみのひとつになる。そのうえ、お留守番の問題行動もなくなるときたら、使わないってほうはない、と管理人は思うのだ。

最後に、管理人の考えたその辺のスーパーで買える食材を利用した誰でも簡単に作れる「犬猫屋敷風コング・ジャパネスク」の作り方を紹介しておこう。うちの犬には、そんなジャンクフードは食べさせられない!という方はてきとうに素材を変えてやってみておくれ。

1.小さな穴に魚肉ソーセージを詰める。

2.狭い方の1/3にちぎったちくわを入れる。

3.ご飯(またはドライフード)と納豆を粘りが出るまでよく混ぜ合わせたあと、大きい方の2/3にこれをぎっしり詰めこむ。

4.とろけるチーズを広い口のなかに貼り、そのまま電子レンジでチン(30秒くらい)する。

5.チーズが軟らかいうちに、上の口に煮干しを数本ぶっ刺しておく。

6.冷めたら、ジッパーつきのビニール袋に入れて、冷凍庫にぶっ込む。

これで、翌朝起きたら完成! ただし、ケージのなかでやらないと、部屋が納豆臭くて大変なことになるのでご注意めされわーい(嬉しい顔)

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不器用で食べ物に執着がなかったディーは、よく、
管理人が帰ってくると、おやつが入りっぱなしのコングをくわえて

「とれなかった。管理人さん、とって!」

と持ってきたものだ……

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 15:44| Comment(6) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月05日

バナナガード

なんでもいいけど、きのうは異常に暑かった。今年最高の38.6度を記録したところもあるらしい。平熱が異常に低い管理人は、体温が38.6度もあったらまちがいなく1週間は寝込むところである。東京は35度に達しなかったようだが、管理人の体感温度では40度以上あったような気がした。

で、そのフン暑いなか、管理人は友人とランチをしにでかけた。納期に追われて忙しいときは、デートの約束はすべて延期になるのが管理人のライフスタイルなので、仕事が一区切りついたとたん、友だちとの集会が目白押しになるのである。

今回、友人に会ったもうひとつの理由は、別の友人経由で買ってもらったあるお宝を受けとることにあった。

そのお宝とは……

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じゃ〜んるんるんその名もバナナガード


何をするものか、というとバナナを入れて持ち運ぶためのケースである。

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こんな風にパチンと開けましてね、中にバナナを入れるとぶつかったりしてバナナがグニョグニョにならずに済むという優れものざんすグッド(上向き矢印)

バナナだけではなく、キュウリ、ゴウヤ、細目のナス、にんじん、セロリなんかも収納可。

上述の野菜類にももちろん使えるのだが、管理人が一目見てこれに飛びついた理由は、バナナを携帯するためだけに、こういうものを作って売ってしまうというその馬鹿馬鹿しいまでのこだわりに惚れ込んでしまったからだ。おまけに、「研究開発を重ね、90%のバナナが収納可能な形に作りました」という強気な態度も気に入った。

これはひとつ、うちでも持っていなければならんだろう(左なぜ?)

ちなみに管理人の周りではいつも妙なものがアワ・ブームになるので、今回もバナナガードの存在を知ったとたんに欲しい欲しいという輩が集まって、10コまとめ買いすると100円お得、とかいうのに申し込み、みんなで分け分けすることになったのだ。

いま、管理人の周りではみんながバナナガードを持っているわーい(嬉しい顔)

で、バナナガードを使うには、とうぜん中に入れるものが必要なので、ランチの帰りにさっそくスーパーに寄ってバナナを買ってきた。世界の90%のバナナが入ると豪語しているわけだし、とうぜんかっちり入るだろうと思いきや……

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閉まらないがく〜(落胆した顔)

よりによって10%しかない入らないサイズのバナナを買ってきてしまったらしいあせあせ(飛び散る汗)無念だもうやだ〜(悲しい顔)

だが、ここでめげる管理人ではない。バナナガードには、バナナが蒸れないように空気とりの穴がついている。ということは中に入れたものの臭いが外にプンプン臭うということだ。この形、このサイズ……

犬に「銜えろ」のお稽古をさせるのに最適じゃんわーい(嬉しい顔)

というわけで、さっそく中におやつを入れて、カイに向かって「Take」と言ってみた。

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パクッexclamation


Good Boyexclamation×2

ここまでは良かった、ところが、カイったらバナナガードを口にくわえると、ダッと猛スピードでその場から逃げだした。

ちょっと待たれよ……管理人は「Take」と言ったのであって「Take it away」とは言っとらんぞちっ(怒った顔)

「Take」のあとは「放せ」で銜えたものを放させるというお稽古をしようと思ったのに、奴はおやつ入りのバナナガードをくわえてどこかに逃走しやがったたらーっ(汗)

おやつ欲しさに、カイがバナナガードを一気にかみ砕くのは火を見るより明らかである。せっかく買ったお宝を壊されてはたまらんので、管理人はカイを追いかけてソファまで追いつめ、バナナガードを取りあげた。

「カイちゃん、そうじゃないのね。もう一回やってみましょう。はい、『Take』」

パクッ……ダッダッシュ(走り出すさま)



だ・か・ら!



そんなことを3回ほど繰りかえしたところ、すっかりコマンドが定着した。カイにとって、「Take」というコマンドは管理人とおっかけっこができる楽しいお遊び開始の呪文として刷り込まれたらしい。

まっ、いつものことだけどね。カイが妙な誤解をしてコマンドをまちがって覚えるのは犬猫屋敷では日常茶飯事だし(ため息)

では、気を取り直して、
「はい、じゃあこんどは姫ちゃん、やってみましょう。『Take』」

パクッ……ダッダッシュ(走り出すさま)

もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔) もうやだ〜(悲しい顔)

犬は互いの行動を観察してさまざまなことを学んでいく。管理人とカイのやりとりをそばでじっと見ていた姫は、カイの行動から「Take」の意味を即座に誤解したのである。

お気に入りのマットレスの上にバナナガードをくわえてよじ登った姫のところに、管理人はダッシュで駆けつけた。その表情を見て「あっ、ちがった」と思ったのか姫は即座にその場で伏せの姿勢をとった。

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「失礼、忘れてましたわ。いまはこれよね、フセね」


少なくとも「ダウン」が定着しているだけでも御の字なのだ……たぶんねふらふら

一からコマンドを教えるのと、言葉の通じない動物相手に誤解を解くののどちらがより困難かと言ったら、そりゃ後者であるのはまちがいない。さて、どうやってこの勘違いを正しい方向に導くべきか、管理人はふたたび頭をひねることになりそうだ。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:01| Comment(3) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月04日

イグアナ

うちは犬ではなくイグアナを飼っているのかもしれない、とふと思う瞬間がある。

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姫が香しい標的にロックオンし、頭を下げ、姿勢を低くして、がに股歩きのまま一気に臭いの元に突進する後ろ姿を見るときだ。

こうなると「ヒール」と叫ぼうがレバーを振ろうが奴は振り向きもしない。ちなみに地道な半年間のお稽古の甲斐あって、障害物がない場合はこんな感じでちゃんとハンドラーを見上げて歩くなんてことだってできるようになっている。

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こっちが止まれば、いわれなくてもその場でオスワリなんて芸当だってやってのける。そこだけ見れば、まるで正式なトレーニングを入れた名犬のようにさえ見えるのだ。ところが、何か良い「かほり」を嗅ぎつけたとたんに……

「行くわよ!」

「姫ちゃん、ヒールでしょ。ゆっくり!」

「うるさいわね、いま忙しいんだから、話しかけないで!

嗅ぐのが大好きな姫にとって、レバーはやはり究極のベイトにはなりえない。ある「かほり」にロックオンしてしまったときの姫は、五感がすべて臭覚に集中するので、もっと臭いが強いベイトでないと、きっと太刀打ちできないのだ。

世間では、ブルーチーズやヤギのチーズなんかを使っている飼い主さんもいるらしい。うちも試してみようかと、わざわざチーズ専門店を覗きにいったのだが、100g1500円の文字を見たとたん、貧乏飼い主はそそくさと店をあとにした。そこまでしてピシッとツケのしつけを入れるべきか、相談する相手が財布の中身というあたりが貧乏人の哀しさである。

むろん、アイデアだけでウン十年世渡りしてきた管理人である。もっと安価で手近な方法も考えた。1日中ブーツを履いていたあとの脱ぎたてストッキングや3日履いたあとのパンツなんかいけるのではないか、とわりとマジで考えたのだが、これは周りの犬飼い友に

「ほんとうにそこまでやりたいか、よく考えてみるように」

と諭された。たしかに、走りだそうとする犬に向かってパンツを振るのはかなり大胆な行動だ。

「もっとも効果的な方法は、その場でパンツを脱いで振ることだ」

とも言われたが、犬がピシッと横についてもその後恥ずかしくて近所を歩きまわれなくなるのでは意味がない。

そういえば、我が家でもう一頭飼っているイベリコ豚のほうも、何かを見つけてズンズンズンと歩きだすと油断したハンドラーはまずまちがいなく漬け物石のように引きずられる。こちらはすでに7年半もお稽古を続けているが、いまだ「ご意見無用」で何かに突進していく瞬間がある。こちらも真剣に、ベイト袋に乾燥したミミズの死骸を入れて持って歩くことを考えたのだが、それを手に持って盛大に振りたいか、と自分に問いかけるとさすがの管理人も躊躇する。

犬にとっての究極のベイトとは何なのだろうか?

飼い主の笑顔だ、という人もいるが、おそらくそういう人は、散歩の途中でイグアナやイベリコ豚に変身する犬を飼ったことがないのだろう。犬の嗜好にあった究極のベイトで、なおかつ飼い主も耐えられるという折衷案を見つけだすべく、日々試行錯誤を続ける管理人である。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 11:27| Comment(5) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月29日

伏せたくさせちゃおう、強情犬

フセの成功率が一番高いのはベッドやソファーの上だった。

フセ計画が始まって数ヶ月で、奴はひづめ欲しさに嫌々ドッグベッドの上で伏せたのだが、その後は鳴かず飛ばずで、ほんとうに忘れたころにやってみる程度で、フセのコマンドが入っていると言うにはほど遠い状況が数ヶ月続いた。それでも、偶然か奇跡か、数回成功したことがあるのだが、それはいつも姫がベッドやソファの上に乗っていて、管理人がそばに座り込んでいるときばかりだ。

そこで管理人は考えた。もしかして、飼い主の視点が姫には重要なのかもしれない。上から見下ろされる状況が心地よくないとしたら、床ではぜったいにフセをしないのも頷ける。

そこで、オスワリのときにやったように、姫がフセの姿勢で休んでいるのを見かけるたびに、大げさに褒めちぎる褒め褒め攻撃を続けるかたわら、我が家で一番高い位置になるベッドの上の犬用マットレスで集中的にフセのお稽古をしてみることにした。姫がマットレスに乗っているとき、管理人が床に座れば、姫と管理人の視線はぴったり同じ位置になる。

じっさい、フセの姿勢で蹴られたことのある犬は、人間がそばに近づくと慌てて起きあがるという話もあった。姫がそのような虐待を受けていたかは知らないが、ともかく上から見下ろされることに不安感があるのはまちがいない、という気がしてきた。

で、マットレスの上でのフセ集中トレーニングを始めたところ、最初は30回に1回、そのうち20回に1回というように、だんだんと成功率が上がっていった。

そんなことをしている最中、ディーの病気が発覚し、管理人は姫のフセトレーニングどころではなくなってしまった。ちょうど仕事が入っていたこともあって、ディーが闘病生活を送っていた約1ヶ月は、カイや姫の世話までほとんど手が回らなかったのだ。

いわば、この間姫はネグレクトされていた状態だった。管理人が驚いたのは、姫がその状況に対して一切の抗議行動を起こさなかったことだ。いままでのパターンから行くと、自分が無視されたりしようものなら、物を破壊したり糞尿をまき散らしたりして、目一杯の抗議行動をしていたからだ。

その1ヶ月間、姫は一度も怒られることをしなかった。ディーを見送り葬式を済ませてふと気づけば、いつの間にか廊下でのお漏らしなしの記録も2ヶ月以上の新記録を更新していたのだ。

ディーの葬式と前後して仕事もいちおう片づいたので、管理人はこれまでの埋め合わせとばかりにカイと姫をグリグリしまくる生活に戻った。もちろんトレーニングも再開したのだが、正直、丸々1ヶ月空いてしまった以上また一からやり直しも覚悟していたのだ。

ところが……

驚くことに姫は「ダウン」のコマンドを忘れてはいなかった。それどころか、一気に成功率が100%にまで上がったのである。

無視され続けた1ヶ月で姫は姫なりに考えたのかもしれない。フセをすれば管理人は小躍りして喜ぶこともちゃんと知っていた。だから、ようやく管理人に振り向いてもらえることになったとき、ぜったいに褒められると判っていることを自らやって見せたのだろう。

犬という動物は人間が考えているよりもずっと利口ですばらしい、と管理人が思うのはこういうときだ。とくに一般的にはコマンドが入れにくい訓練性能が低いダメ犬と思われがちなハウンド系は、まわりの状況を見極めて何をすべきかを自ら判断する能力に長けている。姫にとって、そのとき一番欲しかったのは管理人の注目だ。何しろ1ヶ月ものあいだ、いくら欲しても与えられなかったのだから。それが手に入ると判った瞬間、どうすればいいか、姫はきちんと判断したのだ。

犬のしつけには波がある。管理人は専門家ではないので、体験だけからしか言えないが、パピーのしつけというのは基本的に常時上向きのコンスタントな上昇カーブだ。それに対して、姫のように一度しつけに失敗した成犬の躾なおしの場合、そのカーブに波がでる。巧く上向きでコンスタントに上がるときはいいが、まったく成果が見えなくて投げだしたくなる時期もある。だが、その時期を超えればまた緩やかな上昇カーブが始まるのだ。管理人のようにいつかはまた上向きになると知っていれば、成果が見えなくとも続けることはできるのだが、たいていの人は、これがこの犬の限界だ、と諦めてしまうようだ。

最近管理人がことあるごとに「問題行動でもあまり気に病まないで楽しくいこうよ」と言っているのはそのためだ。犬との暮らしで、何もかも巧くいかなくてイライラする時期というのは誰にでもあるのだ。そこで巧くいかないものを無理矢理続けてますますストレスを溜めるくらいなら、べつにいいじゃん、と腹をくくって他に目を向けて見るのも大切だと思うからだ。トレーニングは休めば後退することもあるが、取り返しのつかない後退などありえない。飼い主も犬も嫌気がさしているのに無理にトレーニングを続けるくらいなら、いっそぜんぶ止めてしまってもかまわない、と管理人は思っている。それでも、いつだってやり直しはきくのだから。もしそこでやり直しがきかないとしたら、成犬の躾なんて最初からできないわけだし……

ともかく、そんなこんなで姫は犬用マットレスの上でなら、どんなときでもフセができるようになった。むろん、最初は管理人だけが見ている前で100%まで精度を上げ、その後、家人を部屋に連れ込んでその前でやらせる練習をした。最後はお客さまが来たときに前でやらせてみたのだが、天敵の子どもが部屋にいる状態でもちゃんとできるようになったので、フセトレーニングファーストステージはみごとにクリアということになった。

ほら見てみぃ〜ちゃんとフセができるようになったぞぉ〜

管理人としては、胸を張って世界中に吹聴してみたい気分なのだが、ここでまたもや大きな落とし穴に気づいたのだ。

姫はたしかにマットレスの上でならちゃんとフセができるコになった。だが、大好きなマットレスがないとまだダメなのだ。ということは、姫のフセを世間にお見せするためには、どこにでもこの巨大なマットレスを持ち歩かなくてはならない(涙)

というわけで、現在は持ち運びができる座布団サイズまで敷物を小さくすべく、ドッグベッド→大型クッションとせっせと縮小化に精を出している管理人なのである。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:10| Comment(4) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月28日

伏せぬのなら

2年がかりで姫のオスワリを完成させた管理人にとって、次の姫ちゃんプロジェクトは何とかフセをさせることだった。

去年の秋、犬友たちと河原でBBQイベントをしたとき、我が家の3頭はフセができない、という驚愕の事実が発覚した。姫はともかく、ツチノコ兄弟に関しては、いちおう躾本に書いてある最低限のコマンドは入れたはずなので、できないわけはないのだが、素人飼い主は1歳過ぎで「ダウン」といったらフセをすることができるようになった時点で満足して、その後の反復練習を怠った。おかげでディーもカイも「ダウン」のコマンドの存在すらきれいさっぱり忘れ去っていたのである。

「フセぐらい、やらせられるやい!」

売り言葉に買い言葉で啖呵を切ってしまった手前、何年かかってもフセをさせないわけにはいかない状況に追い込まれたのだが、その当時姫はまだBBQの会場でも一瞬しかオスワリができない状態だった。

あんなこと言っちゃって、ほんとうにできるようになるんかい?

正直、管理人自身も半信半疑だった。しかし、大見得切った手前「できませんでした」と言うのもしゃくに障る。というわけで、姫にフセをさせるという壮大な計画が始まったのである。

ちなみに、ツチノコ兄弟は、3ヶ月もしないうちに「ダウン」のコマンドを思いだした。何しろ最低限しかコマンドを入れないずぼらな飼い主の犬たちである。オスワリ、お手など一通りやったあとで、それでもレバーがふるまわれないと判った時点で「もしかしたら、ずっと前にやったこれっすか?」みたいな顔で2頭ともちゃんとフセができたのだ。三つ子の魂百までとはこのことだ。下手くそながら、とりあえず最低限のコマンドだけは教えておいて良かった、と管理人は胸をなでおろしたのである。

だが、問題は「フセなんて、ぜったいしないわよ、あたしは!!!」と頑張って仁王立ちになっているお姫さまだ。フセのできない犬の場合、あのフセのポーズをもともとやらない、知らない犬であるケースもあるらしいのだが、姫の場合は部屋で休んでいるときはちゃんとフセのポーズをすることから、これはちがうとすぐに判った。つまり、オスワリの時とどうように「やりたくないから、やらない」だけなのだ。

いちおう念のため、世間の躾本に書いてある、前脚を引っぱる、膝を立ててその下をくぐらせるなんていうフセを教えるノウハウもすべてやってみた。むろん、そんな子供だましの手に引っかかる姫さまではない。一通りやった時点で、ますますへそを曲げて、しばらくは「ダウン」と言われただけでその場から逃げだすような状態にまでなってしまった。

こりゃぁ〜またオスワリと同じように長期戦でいくしかないわけね(ため息)

考えてみれば壮大な計画だが、オスワリで一度成功した経験から、そのうちできるようになることは判っていた。そこで、オスワリの時と同じように、なぜやらないか、というところから考えることにしたのだ。

ふつう、嫌がる犬にコマンドを教える場合、犬がぜったいにそれを手に入れたいと思うような報酬を前にぶら下げてやるのが効果的だ。たとえばレバーを見せて、これが欲しいなら「フセをしろ」と言えば、遅かれ早かれ犬はそのコマンドに従うようになる。ツチノコ兄弟の場合は、これでたいていのことはやらせられる。ところが、姫の場合にはそれが効かないケースがあるのだ。たとえばクレートトレーニングに関しては、姫は驚くほどの早さ(約1ヶ月)でハウスのコマンドをマスターした。ところがオスワリには1年以上かかった。姫にとって、クレートに入ることはイヤではないし、そのうえ美味しいおやつがもらえるのなら、喜んで中に入るのだ。ところが、オスワリの場合はレバーぐらいでは割に合わない「座りたくない理由」があったのだ。そういうときには「座りたくない理由」を「座りたい理由」に変えてやる以外、姫に喜んでオスワリをさせる手段はない。

これがオスワリを教えて管理人が学んだ姫用のトレーニング方法である。そして、今回もまた姫には彼女なりに正統な「伏せたくない理由」があるようだったのだ。

ツチノコ兄弟はパピーから管理人が手塩にかけて育てた犬だ。ゆえにディーやカイが何かをしたくないと思うとき、管理人にはたいていその理由が即座に判る。前にこれをやったときこういう怖いことがあったから、とか7年間の記憶をひもとくことで、ほとんどの場合はこれだ、と思う状況が頭に浮かぶのだ。だから、ツチノコ兄弟が何かを「やりたくない」と拒否した場合には、その嫌な理由を取りのぞいてやるのは比較的たやすい。ところが、姫の場合はうちに来るまでの5年ほどの犬性がすべて謎の包まれている。ゆえに、なぜフセをしたくないのか、という理由を推理するしかないのだ。

幸い管理人はミステリーやパズルを解くのが大好きだ。ゆえに、姫がぜったいにやりたくないと思うものに関して、ぜったいにやらせてみよう、とますます燃えるのである。ミステリーの謎解きに一番必要なのは、観察して状況をきちんと把握することだ。というわけで今回もさまざまな状況でダウンのコマンドを試してみて、姫がどういう態度を示すかつぶさに観察することに約3ヶ月を費やした。

そうすることで、ついに、これは! と思うパターンを見つけだすことができたのである。

(つづきは明日)
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月16日

クレートトレーニング

遅まきながら、クレートトレーニングをやっている。ディーの具合が悪くなってすぐ、バリケンを衝動買いしたからだ。

ご存じの通り我が家では、3頭のデカ犬が狭い管理人の部屋で勝手気ままに生きている。飼い主がわりとアバウトなせいか、犬たちもいたって大らかで、お互い踏んだり踏まれたりなんてことがあっても、さして気にしているふうでもない。だが、なんといってもディーは絶対安静の重病犬である。ゆっくり養生できる場所を確保してやろうと、清水の舞台から飛び降りた気になってバリケンを買ってやったのだ。

ところが、せっかく高い金を出して買ってやったにもかかわらず、ディーだけではなく他の2頭もぜんぜん中に入ろうとしないのだ。犬が入らないバリケンなんて単に場所塞ぎの邪魔物でしかない。そこで管理人は重い腰を上げて今さらながらクレートトレーニングを始めることにした。

まずはじめは、バリケンのなかにおやつを入れ、それ欲しさに犬がなかに入ったらたっぷり褒めてやることである。ところが、とりあえず中に首はつっこむのだが、全員おやつをくわえるとそそくさと出てきてしまうのだ。

クレートの中=おやつをもらえる=嬉しいことが起こるところ


という方程式を犬に刷り込もうとしているのに、これではただの食い逃げである。そこで管理人は考えた。

どうして中でおやつを食べられないのか? 暗くて狭い場所は犬にとって安心できる場所であるにもかかわらず、あの中にいることが不安になるのはなぜなのか?

答えはわりとすぐに出た。バリケンにはメッシュの扉がついている。それを開け閉めして使い勝手を試していた管理人のようすをそばで見ていた犬たちは、下手するとドアをガチャンと閉められて、あの中に閉じこめられるぞ!と思ったのだ。

そこで、せっかく組み立てたものをまた一度解体し、ドアを取っ払ってからもう一度おやつを中に入れてみた。

すると、さっきよりは奥まで入っては行くものの、やっぱりおやつを食べ終わると大慌てて出てきてしまうのだ。ふむ、ふむ。これは、あの中が安全で心地よいところなのだということを、まず教えなければならないかもしれない。

そこで、管理人は自らバリケンの中に入ってみた。デカ犬トリオにとって管理人は心の太陽である。管理人が大丈夫、と言えば怖いことは起こらないし、管理人のそばにいればぜったいに危険はないということは毎日の暮らしでしっかり刷り込んである。だから、その管理人がバリケンのなかで楽しそうにしていれば、きっと犬たちも安心して入ってくると思ったのだ。ちなみに、ふつうクレートトレーニングというのは、犬をクレートに入れるための練習で、飼い主がクレートに入る家は、たぶんあまりないと思う。じっさい、管理人がクレートに入ってはしゃいでいるところを見て、通りすがりの家人は深いため息をついていた。

だが、この作戦は大成功だった。管理人にグリグリしてもらいたい一心で、3頭が代わる代わる自らバリケンのなかに入ってくるようになったのだ。

読みが当たってご満悦の管理人だったが、ここでふと考えた。

ふつう、クレートトレーニングができている犬というのは、飼い主が「ハウス」とコマンドをかければ中に入っていくもので、クレートの中から飼い主が「ハウス」と叫んでいる図はあまり見ないぞ。

犬たちをクレートに入れる、という目的は果たしているが、これだと毎回先に管理人がクレートのなかに入って待っていなくてはならなくなる。

そこで、トレーニングの次のステップを実行することにした。こんどは、管理人なしでもクレートの中に入ってその場で留まっているための練習である。幸い、管理人がクレートの中は安全だ、と身をもって教えたせいか、前よりは格段に長い時間クレート内に留まることができるようになっている。一番奥に投げ入れたおやつでも平気で食べられるようにはなったのだが、やっぱりおやつを食べ終わるとそそくさとそこから出てきてしまうのだ。しつけマニュアルによると、おやつ投げ入れ方式で、犬はクレートに留まってそこでくつろぐことを自然に覚える、となっているのだが、素人トレーニングの哀しさで、またもやマニュアル通りの展開にはならないのだ。

まあ自己流でやっているとこういうことはよくあることだ。右手におやつを持ってこうして、ああしてとマニュアルに書いてあるとおりにやってみるのだが、そうすると、こうなりますね。という風にはならないのだ。お料理番組を見て、お肉に下味をつけて、オーブンレンジで20分焼くと、ほらこんなに美味しそうに焼き上がっています、なんていうのを真に受けて同じようにやってみたら、かつて肉だったらしき炭が目の前に現れた、みたいなものである。おそらく致命的なまちがいを犯しているのだが、素人にはそれが何だかわからない。たぶんオーブンレンジで20分と言われたのに、電子レンジで20分焼いてしまったようなことなのだが、それに気づくのはオーブンレンジで焼いてみたことのある人だけだ。たいていの素人はここで「このレシピはダメ!」と投げだしてしまうのである。

ちなみに、管理人は目の前に失敗作品が出てくることには慣れているので(←それがいいかどうかは疑問だが)それを何とか調理しなおして食べられるものにするのは得意なのだ。だから今回も自分なりに考えた。そしてひとつのアイデアがひらめいたのである。

犬たちがクレート内に留まらない原因は、投げ入れられたおやつを食べてしまったら、もうそこには用がないからだ。だったら中にいることでずっと良いことが起こり続ければ、そこに留まろうと思うはずだ。

管理人がクレートの中で犬をグリグリしていれば、ずっとそこに留まっていられたように、中にいるあいだずっと楽しいことが起こり続ければいいのだ。そこで目に止まったのがクレートの奥についている空気とりの穴である。クレートの中にいるあいだ、ずっとGood! と褒め続けながら、この穴からおやつを入れてみたらどうだろうか?

もちろん、結果は大成功だった。中にいれば継続的におやつが穴から落ちてくるのだ。犬たちがそこを天国だ、と思ってもとうぜんだろう。じっさい、一度クレートに入ったら、必死でその場所を死守すべく決して他の犬にその場を譲ろうとしないのだ。

「カイちゃん、次、姫のお稽古の番だから、出てらっしゃい!」

「いやです。ボクが先に入ったんですから、ここはボクの場所です!」

今回も大成功である。管理人の類い希なる妙案のおかげで、クレートは犬たちにとって、とても嬉しいことが起こる天国のような場所になったのだ。

こんな良いアイデアが浮かぶ自分の才能に酔いしれながら、管理人は目を細めてクレートに入っている愛犬のようすを眺めていた。アタシってば、もしかするとカリスマ訓練士になれるかもしれないわ。だって、あんなに嬉しそうに尻尾をぷりぷり振りながらクレートに入っているじゃない。尻尾を振りながら……? あれ?

ふつう、犬がクレートに入っているとき尻尾を振っているかどうかなんてわかんないよなぁ〜だって、ふつうはクレートってこういう風に入るものだもの。



ところが、うちの場合はこんな風

なんか変だわよね、やっぱり(滝涙)

やっぱり、どこかで何かをまちがえているのだ。今回もまた、致命的な失敗を犯したらしい。

でもいいでしょう。とりあえずクレートは大好きになったわけだし。今後はどうやってカイにこっちを向かせるか、それを考えていくことにしよう。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 14:17| Comment(4) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月13日

座るまで待とう、強情犬

そう考えると、じつは思いあたる節があった。姫はトイレの躾が巧くできていなくて、うちに来てから、ほんとうにごく最近になるまでお漏らし癖が完全にとれなかった。♀犬のシッコポーズというのは慣れないとオスワリと勘違いする。じっさい当初、管理人も「姫、ノー!」と叫んだら、ただ座ろうとしただけだったということが何度かあったのだ。

座ろうとする→No→オスワリはいけないこと

そんな法則が姫の中にできていてしまったとしたら、姫が断固として座らない理由も合点がいく。同時に叱られるから座らないと決めているのだとしたら、座れば良いことがあると教えればオスワリをさせるのも夢ではないはずだ。

そこで管理人は半信半疑のまま「座ったら、何でもいいから褒めちぎる」作戦を始めたのである。ちらっとでも姫が座っているところを見かけたら、ともかく狂ったように褒めまくる。来る日も来る日もそんな地道なことを続けた結果、半年ほど経ったころ、ようやく姫は管理人の部屋の中でならふつうに座ることができるようになった。つまり、座ることは良いことだと教えるための半年の月日を経て、ついにふつうのしつけサイトに書いてある、片手におやつを持って鼻面よりうえに上げて「Sit」とコマンドをかけましょうという最初のところに行きついたのである。

いったんそこまで行ってしまえば、そこから先は比較的楽だった(とはいっても、けっきょくまたその後半年くらいはかかったのだが)まずは廊下でオスワリができるようになり、次に庭でなら座るようになり、散歩の途中、公園でならオスワリのコマンドに従うようになり、ついに最後は車がびゅんびゅん通る国道のそばでもきっちり座れるようになった。いまでは外出先であっても、姫はどこでもちゃんとオスワリができる犬になった。いまや、管理人が帰ってくると、姫は玄関でちゃんとオスワリして待っている。いくら教えてもツチノコ兄弟にはぜったいできなかった芸である(ツチノコはあいかわらず興奮して玄関じゅうを駆け回る)。犬猫屋敷風に言えば、これでついにひとつのコマンドが完成したことになる。

この長い長い行程のなかで、さまざまな事実がわかり、管理人自身も成長した。

たとえば、姫は言葉のコマンドがとても苦手で、さまざまな言葉の中から「Sit」というコマンドを聞き分けることが巧くできない。だが、ハンドサインはすぐに覚えたので、管理人はツチノコ兄弟に対しては曖昧だったハンドサインをきちんと出す習慣ができた。

姫にはコマンドという概念がどうやらもともと入っていない。頭のいい犬なので状況に応じてこういう動作をすべきだ、ということは比較的すぐ覚えるのでふだんの生活には支障がないが、たとえば玄関のたたきではスワレマテがちゃんとできるのに、餌を前にして待たせると、「マテ」で待って「OK」で食べるのではなく、最初に何か言われたら待ち、次に何か言われたら食べ始めるといった具合に、こちらのいう言葉を理解しているとはどうも思えない。コマンドにはいくつも種類があって、その言葉に従ったから褒められるのだ、ということを教えていくのはじつはこれからの作業なのだ。

誰にも増して食いしん坊な姫なのだが、じつは姫のしつけにご褒美はあまり必要はない。むろんご褒美があればますますやる気は出るのだが、極端な話、褒美などやらなくても褒めてやるだけで姫はきちんと動く犬だということがわかった。これは、オスワリ褒めちぎり作戦を実行していたときに判明したことである。ともかく座っている姿を見たら褒める、という作業を繰りかえしているとき、おやつ箱に手を伸ばすと、姫はおやつ欲しさに立ちあがって近寄って来てしまう。これでは座るという行動に対して褒められているというのが曖昧になるので、基本的におやつは一切使わなかった。つまり、姫にとってはたとえおやつがなくても、褒められることだけでじゅうぶん報酬になっていたのだ。

てなわけで、姫にオスワリを教えることは、管理人にとっては、ある意味、人生最大のチャレンジだった。正直オスワリひとつにここまでかかるとは思わなかったし、いままでは「オスワリなんてできてあたりまえ」と思っていたのが、オスワリもどうしてなかなか奥が深い、と考えを変えざるをえなくなったのだ。だが、他人から見ればたかがオスワリである。「何ができますか?」と訊かれて「オスワリ」と胸を張って答えても、「なんだ、この飼い主は?」と呆れた目で見られるだけだ。

だが、姫のオスワリはそんじょそこらのオスワリとは訳がちがう。何しろ2年越しで完成させた究極の芸なのである。

オスワリというベルリンの壁なみに高いハードルを越したおかげで、姫は、現在同時進行で三つの芸を練習するまでになった。1年越しで頑張っているフセ(第一ステージはようやくクリア)、半年がかりのお手(おそらくあと3年はかかるもよう)、先月から始めたクレートトレーニング(なぜかこれだけは、ほぼ完成)に関しては、また日を改めて書いていくが、ともかく、誰がなんと言おうとうちの姫ちゃんは最高である。

そして管理人はいま、あのとき「姫はバカだから、もう成犬だから今さらオスワリなんて」と諦めなくて良かったな、とつくづく思っている。

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 00:48| Comment(3) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月12日

座らぬのなら……

我が家の愛犬自慢をする立派な飼い主バカサイトになるためには、やはり

「うちのコは、こんなこともできるのよ!」

的なしつけ自慢も必要なのだが、めったにその手の話題が出ないのは、ひとえに我が家のしつけのスピードが亀の歩みであるからに他ならない。もともと飼い主がいいかげんで飽きっぽいところにくわえて、我が家にはオスワリ一筋丸二年を誇る姫さまがあいかわらずお座りオンリーで頑張っているからだ。

正直、姫が我が家に来た当初はこのまま一生オスワリもしない犬でもかまわないかな、と思いかけたこともある。「オスワリもできない犬」というのもある意味貴重だし、逆に、このまま死ぬまでオスワリをぜったい教えないと心に誓おうかとも思ったのである。

きちんとした訓練士についたわけではないが、知っている限りのノウハウを駆使しても奴は徹底的に座ることを拒否し続けた。むろん、競馬馬じゃあるまいし、部屋にいるときはちゃんと座って休憩するのだが、スワレといわれると、とたんに座ることを拒否する。極端な話、座ろうとしていたくせに「Sit」と言われると座るのを止めるぐらいだったのだ。

そこで、管理人は日英問わず相当数のしつけサイトをチェックして回った。オスワリの教え方はむろんどこにだって書いてある。ただ

「オスワリを拒否するのに命をかけている犬の座らせ方」

「先祖代々座ることを禁じられた犬にオスワリを教える方法」

についてはどこを探しても書いてなかった。もしかして、こういう犬ってうちだけなのだろうか? 管理人はかなり真剣に悩んだのだ。

こういうとき、一番簡単な方法は

「うちの犬はバカだからオスワリもできない」

とあっさり片づけることだ。だってうちのコは成犬になるまで何もしつけられてなかったんだから、できなくたってあたりまえだとあっさり言う飼い主もいるだろう。べつにオスワリなんかできなくたってふだんの生活は困らない。たしかにそうかもしれないし、その飼い主がそれでもいいと思うのなら、管理人としては反論するつもりは毛頭ない。

だが犬猫屋敷の場合はちがった。あまりに姫がお座りを拒否し続けたので、逆に好奇心が湧いてきたのだ。

「なんでこいつは、ここまで座るのを嫌がるのだろうか?」

餌を片手に持って「Sit」と号令をかける正統派のトレーニングに犬も飼い主もうんざりしていたこともあって(何しろ何度やってもできないのだ。いいかげん誰だって嫌になる)管理人はとにかく姫のようすを観察するのに時間を費やすことにした。その結果、姫は管理人が見ていないところではオスワリをすることに気がついた。

もしかして、姫はオスワリすることは悪いことだと思っている? オスワリしたら怒られると思っているのだろうか?

明日につづく……

Hime207.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする