2006年08月25日

ペットが欲しい

と、うちのペットが思っているかどうかは知らないが、一時期、カイが散歩の途中で必ず立ちよる場所があった。


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いつもこんな感じで伸び上がって他人のお宅を覗いてみる


おそらく、親を亡くしたヒナ鳥を保護したのだと思うのだが、このお宅の玄関先には大きなケージがおいてあり、そのなかに小さな鴨が2羽飼育されていたのである。

最初、ピヨピヨという鳴き声に気がついて、覗いてみたらヒナ鳥がいた。一度見ただけでカイは虜になったようで、それから毎日朝夕散歩のたびに鴨さんチェックが欠かせなくなったのだ。

ちなみに、姫もそこに鴨がいることはむろん知っているのだが、一度覗き込んでそれが生きた子鴨だと判ったとたん、まったく興味を削がれたようでその後は無視して通り過ぎるようになった。ケージに入っているのが鴨肉のソテーや鴨南蛮や鴨ステーキならば、おそらく、奴は毎日そこを覗き込んでは涎をたらして大声で歌い続けるはずなのだが、何しろ犬のくせに生肉も食べられない柔な現代犬の姫ちゃんである。ピヨピヨいっている小ガモは餌にはなりえない。ゆえに食べられないものに興味はないという姫なりのじつにシンプルな三段論法が成立するのである。

それに対して、カイの場合は純粋に小ガモの成長ぶりにすっかり魅せられていたようだ。放っておくと何時間でもケージを覗き込んで観察を続けかねない勢いなのだ。

「可愛いです、鴨さん。ボクもああいうペット飼いたいです」

自分自身がすでにペットであるという事実はすっかり忘れ去られているようだ。だが、考えてみれば、犬猫屋敷ではチビ姐さんも自分は犬を飼っていると思いこんでいるようなので、ペットがペットを飼ってもべつにかまわないのかもしれない。

「管理人さん、ボクもペットが欲しいです。ぜったい、ちゃんと世話しますから、小ガモさん飼っちゃダメですか?」

んなこと言ったって、けっきょくは管理人が世話することになるのだから、そう簡単に管理人がうんと言うわけないだろうが……

ところがある日、いつものように小ガモのケージを覗いてみたら、そこには誰もいなかった。

「鴨さん……いなくなっちゃった犬(泣)

前の日に見たとき、すでに成鳥と変わらない大きさにまでなっていたので、おそらく自然に返したのだろう。だが、カイにはそんなことは判らない。いきなりいなくなってしまった疑似ペットの鴨にすっかり肩を落とす我が愛犬なのだ。

大丈夫だよ、カイ、たぶん鴨さんたちは仲間のところに帰ったんだよ。たぶんね。たぶん……

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 10:12| Comment(4) | TrackBack(0) | カイザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月19日

凝視

近ごろ犬猫屋敷は出入り業者が行商の帰りによる峠の茶屋になっている。何しろ、犬連れで何時間でも粘れる深夜営業のドッグカフェは、なかなか世間ではお目にかかれないからだ。

長年のつきあいで、管理人の安眠を妨害しないかぎり、何時に来て何時までいても、管理人および家人がぜんぜん気にしないのを知っているため、最近は他人の都合もお構いなしで、いきなり当日「いまから行く」なんてことも平気でやるようになった。管理人のほうも、これまたいたって平気な顔で、その辺に下がっているパンツやら下着などの洗濯物だけ見えないところに避難させればすべて準備完了である。

何しろ、最初にうちに来たときが、仕事で1ヶ月缶詰のあとぎっくり腰になって掃除どころか歩くのもやっとという最低最悪の状況だったので、それに比べればいまの部屋はいたって美しいものなのである。だいたい、これだけ何度も来ていても、未だかつて、その後具合が悪くなったという話は聞かないので、おそらく犬部屋に巣くっている菌にはすべて耐性があると判断するにはじゅうぶんだ。そんな奴のために、わざわざ掃除するのは時間の無駄だ。

管理人は無駄なことが大嫌いなのである。

ちなみに、家人もいまや越後屋とポセのコンビをお客とはみなしていない。だいたい、他人の家に来て、さっさと自分でスリッパをとって履くような奴は、いいとこ良く来る親戚のオヤジ程度のステータスに成り下がるのである。ゆえに、お客さま用のピカピカのグラスも、金縁の皿も越後屋に出されることはまずありえない。

「なんか、飲み物が出てきても、いつもその辺にあるようなマグカップなわけね」

「あんたんちに行ったとき、喉が乾いたっていったら、子供用のコップに水道の水が出てきたじゃないの。うちはまだペットボトルから注いでるぶんマシだと思いなさいよね」

ちなみに、犬猫屋敷でお客さんと言った場合、通常四つ脚がメインなので、飼い主のほうはあくまでも犬の同行者という扱いしか受けない。

「きょう、客来るから」

「誰?」

「ポセ」

「あっそ。ポセちゃん来るんだ。楽しみ!」

これは、もう一頭の隠し子サクラの場合も同様である。サクラが独りで来るわけはないので、もれなくサクラ母がついてくるわけだが、誰ひとりとしてサクラ母が泊まりに来るという奴はいない。ちなみに家人はサクラやポセの飼い主の名前も知らない。彼らは我が家の人間にとってはサクラやポセの飼い主であって、それ以外の何者にもなりえないのである。

で、きのうもそんなこんなで越後屋がふらりとやってきた。ちょっと受け渡ししなくてはならないグッズがあったので、当初宅急便で送ることを考えたのだが、けっきょくわざわざ山を下りて下界までとりに来てくれるという話になったので、ついでに注文していたものも持ってきてもらうことにした。いまや犬猫屋敷はShy Dog最大のお得意さまである。お客さまのニーズにあわせたサービスを提供するのは、商売成功の秘訣なのだ。

ガソリン代が高い昨今、山奥から都会まで出てくる手間と費用を考えたら、宅急便を使う方がずっと賢い選択だ。にもかかわらず、わざわざ店主自ら出向いてくる理由は、管理人(ルビ:愛しのおひぃさま)に一目会うためでは、もちろんない。今回、わざわざやって来た理由は、食べちゃいたいくらい可愛い越後屋ファミリーの新入りCJ(通称ジュニ)を管理人と妹に見せびらかすためである。

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めっちゃくちゃ、可愛いんだぜ、ジュニ!

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カイさん、姫さんもジュニに釘付け


猫好きのデカ犬コンビが、興奮してワオワオ騒いだために、ジュニをケージから出して遊ぶことはかなわなかったが、それでもケージ越しにじゅうぶん子猫を堪能した。やっぱり子猫は可愛いぜ! 思わず

「越後屋、これいただくわ。おいくら?」

と訊きそうになってしまったのだが、むろん、可愛いジュニを越後屋が手放すわけもなく、管理人は欲しくても手に入らない子猫を指先でいじくり回すだけで我慢して思いっきりストレスを溜めたのである。

もうひとり、ストレスを溜めまくっていた方がこちら下

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「猫さん、可愛いです。ボクも猫さん欲しいです」


すでにうちには凶暴な猫が3匹も揃っている。全員に思いっきり猫パンチを食らって悲鳴を上げて逃げまどっているわりには懲りない奴である。

「こんな小さい頃から一緒にいれば、きっと猫さんと仲良くなれます」

たぶん無理。おはぎさんとは生まれたときから一緒だけど、やっぱりアンタはハギの暴力行為に日々泣かされているじゃないか。

それでも、やっぱりカイは子猫が欲しくてたまらない。一緒に遊びたくて仕方がないのだ。だから管理人や他の犬たちが飽きてその場を立ち去っても、ジュニのケージの前から一歩も動かずに、ただひたすら子猫のようすを見つめてしまうカイなのである。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 15:41| Comment(2) | TrackBack(0) | カイザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月11日

サマーカット

台風一過のあまりの蒸し暑さに、カイをサマーカットにしてみた。

昨日記事であげたLサイズのファーミネーターとともにバリカンセットを購入したからだ。

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今回購入したバリカンセット。
こんなに備品がついていて3000円以下のお値段はもうやだ〜(悲しい顔)もの


おまけにケースに収納できて持ち運びも便利ときている。

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で、さっそくカイを捕まえて床屋さんごっこをやってみた。まずはLサイズファーミネーターでアンダーコートを適当に落とし、その後ソファーの上に追いつめて、汗だくになりながら思いっきり毛を刈りまくった。

当初の計画では、背中だけ毛を残したモヒカン刈りか、お腹と脚を剃ったプードルのショー用カット(こんな感じ)にしてみようかと思っていたのだが、あまり奇抜なスタイルは恥ずかしがり屋のカイにはあわないので、スタンダードにスポーツ刈りで仕上げてみた。

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上上ビフォー上上

下下アフター下下

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面倒なので、せっかくついてきたアタッチメントを使わなかったせいで、3カ所ほど10円ハゲができてしまったのだが、また寒くなれば毛が生え替わるし、素人が暴れる犬を押さえつけながらやったにしては、なかなかいい出来だと管理人は自負している。

ほんとうはトリミングに出せばいいのだが、大型犬のトリミング料金というのは洒落にならないほど高額だ。1万円かけて1回トリミングに出すくらいなら、その金で犬たちに美味しい肉を買ってやりたいと思うのは貧乏人としてはしかたない。

犬の毛を刈ることじたいは、それほど苦にはならないし、バリカンで一気にやれば所要時間も30分ほどしかかからない。ただ、問題は毛刈りのあとの掃除である。今回も簡易トリミング台となったソファー周辺がこんな凄い状態になってしまった。

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むろん、床は掃除機をかけ、シーツは洗えば済むことだが、この状態で洗濯機に放り込むと洗濯機が毛だらけになって家人の顰蹙を買うことになる。

そこで登場するのが犬猫屋敷御用達の犬用ゴムブラシなのである。

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もともと短毛の姫のブラッシング用に買ったものだが、毛布や布についた毛をとるのにこれが役に立つのだ。管理人御用達サイトで買うとせいぜいひとつ300円前後のものなので、ついでの時にいくつか買っておいて、掃除用にも利用している。むろん、ゴムでこすれて生地が思いっきり傷むので、大切なベッドカバーなどに使うことはお薦めしないが、ふだん使いの犬用シーツや敷物の掃除にはこれほど便利なグッズはない。


で、掃除したあとのようすがこちらね下
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けっこうきれいになると思いません?


管理人はお金がないので、高いグッズは買えないし、高価なトリミングに犬を出すこともできないのだが、できる範囲で頭を使ってできるだけ犬と快適に過ごす方法を考える。

頭を使うのはタダだしね。アイデアしだいで、お金なんてかけなくても犬と楽しく暮らす方法はいくらだってある。ついでにいえば単純な管理人は、いいアイデアが浮かぶと、自己満足に浸って、それだけで幸せな気分になってしまうし……

「幸せなのはけっこうですが、この10円ハゲ、何とかしてもらえないでしょうか?」

幸せに浸っている管理人には、愛犬の抗議の声は聞こえない。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 19:25| Comment(3) | TrackBack(0) | カイザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月08日

変化

DJがいなくなって、管理人を含め家族が一番心配したのは、カイザーがディーの死をどう受け止めるかという問題だ。2頭は生まれたときからずっと一緒に暮らしてきた。カイザーが脚に怪我をして1日入院したときと、ディーだけを連れて出かけるという非常にレアな状況を除いて、彼らはいつも一緒にいた。その片割れがいなくなったことで、カイが大きなストレスを受けるのは、ほぼまちがいなかった。人間もそうだが、ストレスというのは大敵だ。仲のよかった群の仲間がいなくなって、残された犬があとを追うように逝ってしまったというのは決して珍しい話ではないのだ。

人間が考えるより、犬はずっと繊細な生き物だ。群で生きる社会性のある動物であるが故、ちょっとした生活の変化が原因で体調を崩すこともままある。たとえば、それまでずっと家にいた飼い主が、頻繁に出かけるようになっただけで餌を食べなくなったり、問題行動を起こしたりする。

カイの場合も、ディーを見送って数日はたしかに元気がなかった。餌もなかなか食べようとしなかったし、ディーの具合が悪くなってからはほとんど一緒には行っていなかったにもかかわらず、散歩のときもしょんぼりしていつものカイらしくなかった。

だが、ディーの死から1週間、10日と経つうちに、しだいに以前の元気を取りもどしてきた。カイの心理にどのような変化があったかはわからないが、いまは以前の通り餌も残さず食べるようになったし、散歩も尻尾振り振り元気に出かけるようになっている。

翌日火葬場に連れて行くまでのあいだ、ディーの遺体は部屋の隅を囲ってそこに寝かせておいた。管理人が寝ているあいだに、他の2頭が悪さをしないよう柵を立てておいたのだが、カイがその柵越しに動かなくなったディーの姿をじっと見つめていたのが印象的だった。犬が仲間の死というものをどう受け止めるかは管理人にもわからない。ただ、カイが自分なりに相棒に対してお別れをいっていたような気もするのだ。

ディーがいなくなったことで、カイの態度に変化が生じた。

犬猫屋敷の犬たちの順列は、ディー、姫、カイにある程度固定されていたので、ディーがいなくなったあとは姫が群を仕切るのだろうと管理人は予想していたが、意外にもディーが抜けた穴を自分が埋めなければならない、とカイは考えている節がある。

パピーの頃から、カイは外で排泄するのがとても苦手で、できれば散歩の前に室内トイレか庭でぜんぶしていきたいというタイプの犬だった。マーキングもほとんどせず、小さい頃はお出かけ先では一切排泄ができないような臆病な犬だった。ところが、最近カイは散歩のたびにせっせとマーキングをするようになったのだ。ディーほど頻繁ではないものの、それでも要所要所で脚を上げるようになった。

散歩のとちゅうで群の仲間がちゃんとついてきているか、ふり返ってチェックして、遅れているものがいればその場で待つのも群の隊長としてのディーの役割だったのだが、最近はカイがこれをするようになった。

散歩から戻ったあと、玄関で足を拭いてもらう順番は、これまたディー、姫、カイとなんとなく決まっていたにもかかわらず、いまはカイが姫より先に足を拭いてもらおうと上がってくる。以前はカイに負けじと姫も先を争って上がってきたものだが、いまは、姫もカイが先に足を拭いてもらうのがとうぜんだと思っている節がある。

足を拭いたあと、カイはとうぜんのように風呂場に行く。そこで洗面器に水を張ってもらってそれを飲むのがディーは大好きだったのだが、なぜかいまはカイがそれを要求するようになった(別の要求吠えをするとか騒ぐわけではなく、ただ風呂場の入り口で物欲しそうな顔でたたずんでいるだけなのだが)。ディーがいた頃は洗面器の水などには見向きもせず、さっさと部屋に帰って部屋の水入れから飲んでいたにもかかわらず、いまは洗面器の水が大好きになった。

たぶんカイはこんな風に思っているのだ。

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このたび、新たに隊長に選出されたカイちゃんです。
一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


選出されたっていうか、単なる順送りだろうと管理人は思うのだが、本犬が張り切っている以上ともかくやらせておくのがいいのかな、と思っている。いままでは、ディーくんがいるからボクはいいや、と思っていたことを、カイはいませっせとやっているようなのだ。むろん、もともとアルファ気質が極端に弱いカイにとってディーの代わりは荷が重いだろうし、それじたいがストレスになるということも考えられる。とはいっても、マーキングするのを止めろとはいえないし、かといって、代わりに管理人がマーキングして回るわけにもいかないしふらふら

いずれにせよ、カイが今後どのように変わっていくのか、姫とカイの関係がどうなっていくか、犬猫屋敷の群全体にどういう変化が訪れるのか、管理人としては犬の小さな仕草を見逃さずに見守っていきたいと考えている。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:37| Comment(2) | TrackBack(0) | カイザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする