2006年09月15日

番犬

日本では古くから、犬を番犬として飼ってきた。

家(テリトリー)に見知らぬもの(敵)が近づいてきたら警戒して吠えて追い払う。それがほんの四半世紀前までは、この国での犬の仕事のメインであり、日本人が犬を飼う理由だったのだ。

ゆえに、日本犬というのはほんらい、飼い主以外にはなつかない、無愛想な犬が好ましいとされてきた。飼い主に忠誠を誓う、英語で言うところの「one man's dog」というのが古式ゆかしいすばらしい日本犬の条件だったのである。

ときは変わって、いま犬はコンパニオンドッグという新しい地位を与えられるようになった。人や他の犬に対して友好的で吠えない、牙をむかない穏やかな犬が好まれるようになった。

「すみません、うちの犬、人見知りがひどくて。知らない人にはなつかないんです」

愛想のない、現在の犬の基準では可愛くないと言われかねない犬を連れた飼い主さんが申し訳なさそうに言うのを聞くたび、管理人は、そんなに気に病むことはないですよ、と心から同情する。その犬が明らかに、柴などの日本犬の血を引いているときはとくにそう思う。

イタリア人に囲まれたとき、一番はじけてる日本人なんていませんよ。とびきり明るい、社交的な日本人だって、アメリカ人のあいだに入れば、おとなしい、無口だと言われちゃうんですよ。

他人になかなか馴染まない、飼い主のみに忠誠を誓うというのは、日本犬が長年培ってきた遺伝的な美徳なのだ。だから、洋犬や洋犬雑種が持つような底抜けのフレンドリーさを日本犬の血が濃い犬に求めてもしかたがない。それは欠点ではなく、犬種の特徴なのだから。

ご存じのとおり、犬猫屋敷のお犬さまたちは、バリバリの外犬(がいけん)である。ハグ&キスが挨拶だと信じているので、初めての人や犬に対しても、驚くほど馴れ馴れしい。
「ハァ〜イ、オレ、犬猫屋敷DJ。きみ、なんて名前? ふ〜ん山田ポチか。ねえ、ポチって呼んでいい? オレのことはディーって呼んで。友だちはみんなディーって呼ぶんだ。で、どこに住んでんの? 飼い主さんはどんな人? ねえ、ねえ、きみおやつは何が好き?」

日本の犬たるもの、まず最初は2mの距離をとって、お辞儀をするのが礼儀である。最初は「山田さん」と敬称つきで呼びかけ、敬語で「良いお天気ですね」などと無難な話から始めるのが日本の犬としての礼儀というものだ。

ところが、奴らときたら、いきなりハグ&キスでおまけにため口で話し出す。ゆえに、多くのお友だちから嫌われて、めったに仲良くなれることはない。本犬たちは「友だち」と信じている、顔見知りの犬が近所にたくさんいるだけだ。

大きな犬をたくさん飼っていると、番犬になっていいわね、と言われることも多いが、うちの奴らは番犬には決してなれない。まず第一にテリトリー意識の欠片もないので、他の犬や人間が庭に入ってこようがお構いなしなのだ。

むろん、門を開ける音がしたら、彼らは一斉に吠え始める。だが、それは警戒の吠え声ではなく

「アタシたち、ここにいるわよぉ〜 早く入ってきて、撫でて撫でて!」

という呼び声なのだ。

その証拠に、玄関を開けて人が入ってきたとたんに、吠えるのを止めて一斉にお客さまに殺到する。

脳天気で性善説を信じている犬猫屋敷の犬たちは、うちに来る人はすべて自分たちをグリグリするために来ていると信じて疑わないのである。

むろん、どんなにおとなしくてフレンドリーだとは言ってもあのサイズである。犬が嫌いな人にとってはじゅうぶん脅威だとは思うのだが、うちの奴らが人を襲うとしたら、顔を嘗めまくって相手を窒息死させるのが唯一の攻撃方法だ。

近ごろの犬は番犬にはならない。とくにうちのような洋犬雑種の場合はテリトリーを守らなくてはならないなどという意識すらない。万が一賊が室内に侵入したとしたら、おそらく最前線で戦うのはチビ姐さんを筆頭とした猫軍団のほうだろう。

ついでに言うなら、うちの犬たちは「one man's dog」どころか「everyone's dog」の典型なので、自分のご主人さまがだれかもまったく判ってない。散歩の途中で大好きな○○ちゃんのお母さんに会ったりしようものなら、管理人がいくら「Come!」と叫ぼうが、名前を呼ぼうが恍惚の表情で撫でてもらうという至福の時間を中断する気もしないらしい。飼い主さまのコマンドなど、まるっきり無視する可愛くなさだ。そんな冷たい愛犬たちの姿を見るたび、深いため息をつく管理人なのだ。

ご主人さまのためなら、火の中水の中という表情を浮かべてきりりとしている日本犬を見るたび、管理人は羨ましくなる。誰にでも愛想がいいのはけっこうだが、莫大な餌代やら医者代を稼ぐために日々汗水たらして働いている管理人のことをもう少し大事にしてもバチは当たらないだろうに……

けっきょく、誰だって隣の芝生は青いのだ。ないものねだりで、世界一愛想のいい犬たちを尻目にため息をつく管理人なのである。

DJ134.JPG

ねえ、ねえ、ねえ、いま「可愛い!」って言った?
オレ? オレ? オレのこと??

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 16:37| Comment(2) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月13日

迷子札

遅まきながら、うちのコたちに迷子札をあつらえてやった。

RIMG0988.JPG


犬が行方不明になったとき無事に家に帰れるように、迷子札をつけましょうとサイトで呼びかけておきながら、じつは自分の家の犬たちには迷子札もつけていない、思いっきり口先だけのいい加減な奴、それが犬猫屋敷の管理人である。

以前、ナイロン製の首輪を使っていたときは、首輪に名前と住所が大きく刺繍してあったので、とくに迷子札の必要性も感じなかった。むろん、首輪が外れたらそれまでなので、首輪とはべつに迷子札をつけたほうがいいなとは常々考えていたのだが、けっきょくまあいいか、とそのまま放置していたのである。

むろん、かつてネックレスタイプの迷子札をつけようと、サイトを徘徊したことはある。だが、通常日本で売られている犬用のアクセサリーというのは、か細い首の可愛い小型犬用のものがメインだ。ゆえに、うちのようなデカ犬たちに使えるものとなると、極端に値段が高いか、笑っちゃうくらいゴツイものがほとんどなのだ。

それでも一度、ツチノコ兄弟用に作ってやったことはあるのだ(姫は室内でも常時首輪をしているので)。友人の知りあいに頼んで、わざわざ巨大サイズのネックレスを作ってもらったのだが、けっきょく1週間も経たないうちに鎖が切れてしまった。やっぱり犬用でないとダメなのね。と管理人は肩を落として、そのネックレスと迷子札セットは、そのまま管理人の部屋のブラックホールの中に吸い込まれていった。

探せばどこかにあるとは思うのだが、このカオスのなかからマイクロチップほどの大きさの迷子札を探しだすのは至難の業だ。犬猫屋敷にはたいていの物があるにもかかわらず、どんどん物が増えていく理由はいつもこれなのだ。

というわけで、今回、BBQの企画がたった時点で、けっきょくまた新しく作り直すことにした。うちの近所ならたとえリードから放れてしまってもうちのコたちは自力で我が家にたどりつく。だが、見知らぬ土地で万が一のことがあったら悔やんでも悔やみきれないからだ。

いろいろサイトをめぐって見た結果、けっきょくアクリル製の迷子札に決めた。これなら軽いし、見た目も可愛いし、何よりメール便を使えば送料無料というのが気に入った。1円でも安い物を探してまわる。これは、貧乏犬飼いのサバイバル本能である。

問題は鎖のほうである。また犬用のアクセサリーコーナーを見てまわったら同じ結果になるのは目に見えている。高いか、ゴツイか、いずれにせよ管理人の好みのものが見つからないのは明らかでだ。ゆえに、今回管理人が向かったのはホームセンターだった。

ホームセンターには、さまざまなお宝が眠っている。たとえば大工さんなどが使うベルトにつける道具入れのポーチは犬用のベイトポーチに代用できる。鎖類も測り売りで売られているので、2頭分に必要な長さだけを買えばいい。

今回、管理人がとくに目をつけていたのはボールチェーンだ。あの風呂の栓などをつなぐのに使う小さな玉がつながった奴である。ボールチェーンは何たって水に強い。何しろ年がら年中風呂につかっていても、錆ひとつできないのだ。そのうえ、かなりの水圧があるなか引っぱっても切れないということは、そうとう耐久性があると見た。ついでにいえば、ハサミひとつで簡単に長さを調節できるし、小さな金具だけ買えば素人にだってつけられるところも買いである。水に強くて丈夫で加工も簡単とくれば、貧乏飼い主がこれに飛びつかないわけはない。

おまけに、値段も涙が出るほど安かった。

1mで263円(税込み)。金具をつけても2頭分で500円でおつりがくる。

なぁ〜んて良いお買い物したのかしら♪

さっそく2頭の首周りに合わせてカットしてつけさせてみた。前回の鎖は余裕をもって長めに作ってもらったせいか、遊びが多すぎて、そのせいでけっきょく簡単に切れてしまったのだが、今回はその場で調整しながらカットしたので、サイズもぴったりにできた。サイズがぴったりだと、姫のように常時下を向きながら歩いている犬でもネックレスが外れることはない。

RIMG0979.JPG


うぅ〜ん、ものすごぉ〜く得した気分♪

安くて強いボールチェーン、デカ犬飼いにはお薦めでっせ!
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 14:07| Comment(8) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月03日

甘やかし

管理人はめっぽううちのコたちに甘いダメ飼い主である。

ディーがまだ元気だったころ、彼は管理人がそばで見ていてくれないと食餌も喉を通らない甘ったれの犬だった。たとえば犬たちが食べているあいだに、自分の食事の用意でもしようと管理人がキッチンに行ってしまうと、とたんに餌皿を放置して管理人のあとを追って来てしまうのである。

放置された餌は、即座にお代わり分として姫の胃のなかに吸い込まれる。ゆえに、管理人は出稼ぎの朝の忙しいときでも、お犬さまのお食餌におつきあいし、そばで「よく食べたねぇ〜エライねぇ〜」と賛辞を繰りかえしていたのである。

いまは、カイがこの状態になっている。以前は放っておいても食べたくせに、最近は管理人の姿が見えなくなると泡を食って探しに来る。悪い習慣は一度つけてしまうと直らない。そして悪い癖に限って群のなか脈々とで継承されていくものなのである。

しつけ本やしつけサイトの類を見ると、「犬は強いリーダーに従う習性があるので、厳しく接するべし」などと書いてあるのをよく目にする。以前の管理人は「強いリーダー」とは何か、と深く考えもせず軍隊式に「管理人の意に沿わぬことをするのは許さん!」とばかりにビシビシやっていた。いま考えると褒めることより叱ることのほうが多い暴君だったと思うのだが、うちに来た当初、ご意見無用のハイパーパピーだったツチノコ兄弟をまっとうな犬に育てるまでのあいだは、それが正しいのだと信じ込んでいたのである。

褒めるしつけとは何なのか、強いリーダーとはどうあるべきなのか、そんな根本的なことを考えるようになったのは、姫が我が家にやってきてからだ。

姫は暴君飼い主にことごとく反抗した。姫にとって管理人に叱られることは、おそらくとても嫌な経験だったが、それでも悪い行いは止むことがなかった。その場ではいったん塩らしい態度を見せても、すぐに同じことを繰りかえす。

やりかたを変えねばこのまま堂々巡りが続く、と気づいたのが、基本的な飼い方を見直そうと思ったきっかけだった。いままでのやり方を否定するのは決して楽ではなかったが、姫を飼い続けていくためには、ベストの方法を模索するしかなかったのだ。

管理人は姫を飼いはじめて、ほんとうの「褒めるしつけ」とは何なのかほんの少しわかったような気がする。結果、犬たちは以前に比べて甘やかされているかもしれないが、それでも終わりよければすべてよしでうちにはこの方法があっていたのだ、とつくづく思う。

犬の要求を一から十まで聞いてやるのは、わがままを助長することになるし、結果的に飼い主も犬も不幸な結果になるのだが、だからといって飼い主の要求だけを一から十まで聞けというのも、犬の立場にしてみれば理不尽かもしれないと思うに至った。だから、管理人は以前に比べるとかなり甘い飼い主になった。ただ、ここはダメだと決めたことに関しては、以前と同じように暴君だ。どこまでは譲歩してどこからは許さないか、その線引きがうまくできると、犬との生活も楽になる。そしてそれを判断し、決めるのは、それぞれの飼い主がやるべきことなのだ。

犬のわがままを許してはならない。犬に嘗められちゃいかん、と肩肘張って暮らすのも、犬との生活のやりかたのひとつだとは思う。そうしなければ飼えない犬もいることだし、飼い主がそうすべきだと判断するなら、そういう方法も悪くないだろう。だが、管理人は以前に比べて甘い飼い主になったことで、肩の荷が下りてより一層犬との生活が楽しくなった。ただ将来、また別の犬を飼いはじめたら、この考えも変わるかもしれない。それは管理人も判らない。

犬との暮らしで飼い主も変わる。犬と一緒に成長していくことが、管理人の犬を飼う楽しみだ。

DKH035.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月31日

猫踏んじゃった

チビ姐さんは自分が犬だと思っている。

子猫のとき、先住猫に受け入れてもらえず、唯一仲良くしてくれた犬のDukeに可愛がられて大きくなった猫だからだ。いまだにチビは、他の猫としごく折り合いが悪い。他の2匹は2階で生活しているにもかかわらず、チビだけは昔から犬と一緒に1階で暮らしている。

犬の散歩の時間になると、なぜかチビも玄関口に現れる。散歩から戻って、犬たちが玄関のたたきで足を拭いてもらうのを待っていると、わざわざそこに来て、長々と寝そべってみたりする。

RIMG0784.JPG


祖父母の代から住んでいる犬猫屋敷は無駄に広いので、空いている部屋は山ほどあるにもかかわらず、なぜこの半畳程度のスペースに犬と猫がひしめき合わなくてはならないのかたらーっ(汗)

でもチビにとっては犬と一緒にいる自分、がとても自然なことなのだ。だから狭い場所にわざわざ入り込んで犬(笑)たちに思いきり迷惑がられていたりする。

だが、何しろこの狭さにデカ犬2頭である。とうぜん不慮の事故が起こることも珍しくはない。

デカ犬たちは、散歩から戻るとタタキでオスワリしてご褒美をもらうことになっている。チビはいつものようにタタキに寝そべって犬グループの一員としての自分のステータスを楽しんでいた。管理人が何も考えずに犬たちに「Sit」とコマンドをかけたとたん……



ぶにゅ……



キャ〜あせあせ(飛び散る汗)

カイちゃん、あんた姐さんの上に思いっきり座ってんじゃないのexclamation&question



いきなり30kgの巨体にのられた猫(怒)のほうは呆然としてしまって声も出ない。ふだんなら

「アンタ、何すんのよぉぉぉ〜」

と鉄拳が飛ぶところだが、その余裕もないほどたまげてしまったらしい。

「このアタシが、犬の群のボスのアタシが、犬の尻に敷かれるって、どーいうことexclamation&question

ぬいぐるみマニアのディーがいたせいで、犬猫屋敷では常時床にぬいぐるみが転がっている。ゆえに尻の下のふにゃふにゃした感覚も、カイにとってはいつものぬいぐるみ、程度にしか感じられなかったらしい。まさか自分が姐さんの上に座っているなんて夢にも思わず、カイの全神経は管理人が手に持ったおやつに注がれていた。

食べ物を見たときのバセットの集中力のすごさは、天下一品である。

やがてショックから立ち直った姐さんは、何とかカイの尻の下から脱出し、ぶつぶつ言いながら階段を上がって2階におやつを食べにいってしまい、尻に敷いていたぬいぐるみがいきなり動いたにもかかわらず、カイはそれに気づかないほど一心におやつを握った手を見つめていた。

そのようすをずっと観察していた管理人と妹が、腹を抱えてその場にひれ伏して笑い転げたのは、言うまでもない。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 00:02| Comment(2) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月21日

BGM

人も犬、個体によって動きに特徴がある。

と管理人は常々思っている。たとえば、ものすごくせっかちな人と逆におっとりした人では、同じ動作をするのでもぜんぜんちがって見えるように、つねにちょこまか動き回っている姫と何をやるにものんびりペースのカイでは、まさか同じことをやっているとは、とうてい思えないほどその動作の印象がちがうのである。

餌を食べているとき……

散歩に行くとき……

つねにビデオを早回ししているようなチャカチャカした動きの姫と、逆に早回ししてようやくふつうの犬の動きに見えるようなカイとでは、同じ犬とはいっても天と地ほどの差がある。

だから、カイはしょっちゅう姫に踏まれ、突きとばされることになる。

たとえば、管理人が部屋に戻ってくると、そこにカイがニコニコ笑いながらオスワリして迎えに出ている。管理人に褒めてもらって、撫でてもらおうとちょっと頭を下げながら管理人に近寄ろうとした瞬間、どこからともなく姫が走ってきて、カイを突きとばして管理人が撫でようとした手の下に頭をきっちり押し込むのである。姫はそのときカイの尻尾の上にあたりまえのように座っている。

「尻尾踏まれちゃった……痛い(涙)」 

毎度のことなのだから、避ければいいと思うのだが、カイの感覚では超音速で移動する姫の攻撃を避けることなどほぼ不可能なのだ。

姫の動きを見ているとき、管理人の頭の中では、つねに♪剣の舞♪のメロディーがBGMとして流れている。管理人のなかでカイ用のBGMは。 ♪コガネムシは金持ちだ 金蔵建てた 蔵建てた・・・♪という、あの童謡だ。

そういえば、コガネムシの曲の歌詞を確認するためネットで検索して初めて知ったのだが、野口雨情はゴキブリのことをコガネムシと呼んで、あの詩を書いたのだそうな。

カイちゃん用のBGM、変更したほうがいいかも……知らんでいいことを知ってちょっと落ち込む管理人である。

DKH114.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:40| Comment(7) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月13日

生肉

ディーの病気のことを知っていた犬友の皆さんには、当時ずいぶんご心配をいただいて、ディーを元気づけにお見舞いに来てくださったり、癌に効くという食材やらサプリメントをいろいろちょうだいしたものだ。なかでもKAKOままさまがわざわざ遠くから送ってくださった生レバーのお見舞い品は、最後にディーに腹一杯食べさせてやりたかったのだが、残念ながらちょっとのちがいでディーの墓前に備えてやることしかできなかったのが、いまでも管理人の心残りのひとつとなっている。

せっかくいただいた美味しそうな生レバー、そこで通夜の精進料理(生レバーがかexclamation&question)として残った2頭にごちそうをやろうと、それを夕飯として出してやった。

飼い主が手を血だらけにしてレバーを切っている気配だけで、すでに姫は大興奮である。
「きょうはごちそうよぉぉ〜exclamationうぉうぉうぉうぉ〜るんるんるんるん

歌と踊りのダブルパンチで部屋とキッチンのあいだを走りまわり、白飯(ドライフード)を入れただけの餌皿を前に置いただけで、涎をたらさんばかりの勢いである。その後、食べやすい大きさに切ったレバーの入った器とともに飼い主がしずしずと登場すると、犬たちの興奮は最高潮に達した。
「ごちそう、ごちそうexclamation早くちょうだい!! うぉうぉうぉうぉ〜るんるんるんるん

「カイちゃん、姫ちゃん、きょうは食べたこともないようなごちそうだよぉ〜ん! さあ、生レバーをたんとおあがり!」

レバーをスプーンですくって白飯(ドライフード)の皿にのせてやると、2頭は即座に皿に顔を突っ込み、生肉の臭いを嗅いだあと困ったようすで顔を見合わせた。
「なにこれ! 火が通ってないじゃないのむかっ(怒り)





…………犬だろ、おまえらがく〜(落胆した顔)





ふつう犬は生肉がごちそうのはずだ。たしかにカイはドライフードベースでずっと育ててきたが、姫は放浪生活の経験もあるし、生肉ぐらい食べたことがあると思っていたのだが……
「生はダメ、お腹壊すわよ」

ふつう犬は腐りかけの生肉を食べたって腹を下したりはしない。腸の作りがそういうふうにできているのだ。第一KAKOままさんがわざわざ送ってくださった肉は、人間だって食べられる生食用の新鮮なレバーである。色つやもよくてぷりぷりしてて、飼い主が思わず涎をたらすほどの逸品なのだ。
「騙されたと思って一口食べてごらんよ。病みつきになるから。マジで美味しいんだから!」

「いやよ、生肉なんてたべられないわよ! あんたも食べない方がいいわよ。生はダメ。お腹壊すから」

けっきょく2頭はため息をつきながら白飯(ドライフード)だけをぼつぼつ選んで食べ始めた。恨みがましい顔でこちらを見ている表情には
「おかずがないと食べられないわよ。まったく」

と書いてあるような気がしたもうやだ〜(悲しい顔)

まったくご馳走しがいのない奴らである。レバーがついた部分だけを器用に避け、それ以外のドライフードをぽつぽつ拾って食べているようすを見て、もったいないけどちょっとだけレバーに火を通してやることにした。

表面だけあぶったレバーを持ってふたたび飼い主が登場すると、その臭いに犬たちの興奮がふたたびよみがえった。
「いやぁ〜んexclamation×2 きょうはやっぱりごちそうよぉぉ〜exclamationうぉうぉうぉうぉ〜exclamationexclamation ちょっとちょっと、いい臭いじゃない、もう臭いだけで白飯3杯はいけそうだわぁ〜」

いきなりドライフードの皿に顔を突っ込み、まだレバーも入れていないのにガツガツ食べ始める姫。




……なんなんだ、おまえはふらふら




表面にちょっと火を通したレバーのたたき(?)は犬たちに大好評だった。もう2頭とも狂ったように食べだし、最後は空になった皿を未練がましく嘗めているのだ。

なんなんでしょうか、このちがいは……

せっかくわざわざ送ってくださったのに、うちの奴らには生肉の美味さが理解できないのだ。めったに食べられないご馳走を食わせてやろうというのに、まったく食べさせ甲斐のない奴らである。だが考えてみれば、病気のディーに力をつけさせようとわざわざ買ってやった、生食用のブロイラーではない良質な高級鶏肉にも、奴らは見向きもしなかった。ふだん食べているものの数倍の値段がするというのに、せっかく大枚はたいて買ってやったというのにあせあせ(飛び散る汗)

けっきょくその高級鶏肉は人間さまの親子どんぶりに変身した。今回の生レバーの残りもどうように人間さまの夕飯に早変わりしたのである。



そして、その数日後……



犬連れで外出したお気楽姉妹は、昼食を食べそびれ空腹のあまり途中のマックでドライブスルーに寄り、ファーストフードとポテトを買って車のなかで食べていた。車内に揚げたてのポテトの香ばしい臭いが漂った瞬間、首筋に生暖かい息が……

ふと見ると、後部座席で爆睡していたはずの姫が起きあがって、運転席の背もたれに顔を乗せて鼻をフガフガさせていた。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと、それって揚げたてポテトじゃないの、ちょうだい、あたしにもひとつちょうだいexclamation×2

やらねぇ〜よパンチまったくこいつと来たら、生肉は食べられないのにマックポテトは食べるのかexclamation&question

姫がどんな家で飼われていてどんな放浪生活を送っていたかは知らないが、うちとどうよう、あまりよい食生活をしていなかったことだけは、まちがいないようだ。

RIMG0740.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:50| Comment(3) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月10日

暑中お見舞い申し上げます

拝啓

犬猫屋敷の犬たちは、

フセもできないと鼻で笑った皆さんへ



RIMG0852.JPG


ど〜よ!



                   敬具



ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:05| Comment(5) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年08月06日

掃除機

RIMG0753.JPG


せっせとクレートトレーニングをした甲斐あって、珍しく1ヶ月やそこらで2頭ともちゃんと「ハウス」のコマンドをマスターした我が家のバリケンだが、けっきょくどちらもそこに入って寝ない、というのが現在の管理人の悩みである。ほんとうにごくごくたまに、どちらかが中に潜り込んで、まったりしていることもあるのだが、夜寝るときはあいかわらず管理人のベッドで2頭とひとりが川の字になって寝ている。

やっぱりパピーのころからそこで寝る習慣をつけておかないとダメなのだろうか?と思いつつも、バラしたところで場所塞ぎなのは同じなので、けっきょく部屋の真ん中の場所を占領し、上にいろいろなものが積み上がって一種のピラミッド状態になりつつあるのが恐ろしいところである。

で、現在バリケンは何に利用されているかというと、これがカイちゃん専用のダイニングルームなのだ。

犬は餌の食べ方で2種類に分けることができる。ディーやカイのように餌をよく噛み噛みして食べる個体と、姫や管理人の隠し子である黒ラブのサクラのように掃除機のように吸い込むタイプだ。

とうぜんのことながら掃除機タイプは、とにかく食べるのが早い。餌皿に顔を突っ込むと息もつかずに一気に吸い上げるので、通常、姫は「いただきます」から30秒あまりで「ごちそうさま」に到達する。

ツチノコ兄弟は、姫より一回り口が大きいので、ほんらいならば先に食べ終わってもおかしくないのだが、むしゃむしゃ噛みながら味わって食べるタイプなので、食餌に短くても3分はかかる。ゆえに毎回先に食べ終わった姫が、ツチノコ兄弟の周りをうろうろし、残っている餌皿を凝視するという状態が続いていた。

姫をケージから出して一緒に食餌をさせるようになってしばらくは、ツチノコ兄弟が一瞬餌から顔を上げたとたん、姫が皿の中に顔を突っ込み大喧嘩になったりもしていたのだが、「そういうことはマナー違反だ」と時間をかけて教えた甲斐あって、いまは、管理人が「どうぞ」というまでは残り物にも口を出さなくなっている。だが、欲しいという気持ちを眼力に込めて、他犬が食餌をしているさまをじっと見つめる癖は直らない。

「ねえ、あんた、それ残すの? 残すんならアタシにちょうだい! ねえ、ねえ、残すわよね!」

そういう顔で見つめられると、気の弱いカイは一気に食欲がなくなるらしい。とくにディーがいなくなったいまとなっては、姫の「ちょうだいちょうだい光線」はカイに一気に注がれる。

そこで、先に食べ終わった姫にじろじろ見られないようバリケンをカイの食堂と決めたのだが、これがすこぶる調子がよい。姫に周りをうろうろされることもなく、残せ、残せと脅迫されることもなくなったので、カイはちゃんと自分の取り分を好きなだけ時間をかけて食べられるようになった。

ちなみに姫のほうも最近は心得たもので、カイがゆっくり食餌をしているあいだはバリケンのそばでおとなしくオスワリで待っている。で、食べ終わってカイがバリケンから出てきて、管理人が中から皿を回収したとたん、バリケンに飛び込んで飛び散った食べかすをきれいに嘗めとることにしているのだ。その後、管理人に「どうぞ」と言われたら、カイの皿もきれいに嘗めて、それで姫の食餌は終了する。

おかげで管理人は掃除をする手間が省けて大助かりである。

どんなに吸っても吸引力が落ちない、ダイソンなみの姫のような犬は、管理人のようなものぐさ飼い主にとって、一家に一台の必需品である。
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:07| Comment(2) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

飼い主バカ

ちょっと前の話になるのだが、Play Bowのドギーパーティーに行ってきた。

ディーの病気がわかり、すっかりめげていた管理人に代わって、ちはりんさんをはじめとして、いろいろ調べて情報をくださった皆さんにお礼を言いたかったのもあって、ディーの葬式の翌日、思いたったが吉日、といきなりふらふら出かけたのである。

予約もせずに、考えてみれば迷惑この上ない話なのだが、以前からどんなことをやっているのか是非見てみたいと思っていたのもあって、潜り込めるなら行っちゃえ、ということになったのだ。管理人のいまの仕事のやり方では、1ヶ月先の予定など立てることは不可能だ。仕事が途切れたら、そのときが休みというライフスタイルになって、かれこれ3年以上が経つのだが、おそらくあと5年かそこらは、毎月第2△曜日にXXで、というような約束をするのはまず無理だ。だから、当日行けるとなったらふらっとその場に現れる。今回もまた、そのパターンだったのである。

だが、こっそりと行って、ひっそりと見学して帰るには、犬猫屋敷のご一行さまは生まれつき身体も態度もデカすぎる。けっきょく、本人たちはさりげなく潜り込んだつもりが、またもや犬どもがあれこれやらかして、しっかり皆さまから笑いをとったのである。

まず第一に、呼び返しをご披露する場面で、近づいてくる巨大犬カイに驚いた小型犬(今回はほとんどがチワワやダックスだった)の皆さんから一斉に声が上がり、それにビビッたカイザーは一目散にその場から逃げだした。吠えている犬の全体重を合わせてもカイの半分にも満たないのに、プルプル震えながら管理人の元に尻尾を巻いて逃げ帰ってくるあたり、いくつになっても腰抜けカイちゃんは健在である。

続いて他の犬と飼い主さんが見ている前で申告一発芸をご披露する場面では、レバーを片手に姫にオスワリをさせようと奮闘している管理人のところに、すでに一発芸(いちおうフセをご披露した)を終えたはずのカイがのこのこ出てきて

「それ、もらえるんですかぁ〜? オスワリすればいいの? それともお手?」

と頼んでもいないのに持ち芸をせっせとご披露して、皆さまの失笑を買ったもうやだ〜(悲しい顔)

その後、他の人がゲームをやっているあいだに、管理人と妹がちはりんさんのところの凛と愛唯あいてに機嫌良く遊んでいたところ、いきなり姫が他人様のゲームに乱入し、ゲームの進行を止めてしまったあせあせ(飛び散る汗)

そして最後に、お玉にボールをのせ、犬を連れて走ってタイムを競うリレーゲームでは、いつものごとくゲームのルールを勝手に解釈したカイザーが、落ちたボールを追っかけ回し、これまた皆さんにあきれ顔で見られる始末ふらふら

要は、邪魔しに行ったとしか思えないじつに惨憺たる結果だったのだが、もともと典型的な飼い主バカである管理人としては我が愛犬の成長ぶりに目を細めて大喜びしたしだいだ。

室内ドッグランは初めてだったので、犬たちのリアクションが予想できなかったのだが、最初はさすがに2頭とも尻尾を下げてその場から逃げだしたいというようすがありあり見えたが、30分も経つとその場の雰囲気に慣れて自由に徘徊しはじめた。

散歩の途中ではまだまだ歌う癖が完全にとれない姫なのだが、今回嫌というほど吠えられた(我が家の2頭はダントツにジャイアントだったので、小型犬の皆さんをすっかり怯えさせてしまったのだ)にも関わらず、1度も歌を披露することなく、しっかり吠えられたら無視を決め込んでいた。

いままではとくに問題を起こさない、ドッグランでも安心なカイだったが、正直今回初めてディーがいない状況で多くの犬がいる場に連れて行ってどういう態度をとるか管理人も読めなかった。もともと臆病なカイである。いままではディーがいたので安心してどんな状況でも対処できていたが、頼りの兄貴がいなくなったいま、過剰反応することも考えられた。だが、そんな管理人の心配をよそに、カイはあいかわらずマイペースでどんな人にも犬にも愛想よくきちんと挨拶してまわっていた。

むろん、オスワリしかできない犬は姫の他には来ていなかったし、多芸な皆さんに比べるとうちの2頭の無芸ぶりが際立ってはいたのだが、飼い主バカの管理人に言わせれば、何の芸もできなくとも、うちの2頭が一番愛想がよくてやっぱり最高の犬たちだ、ということになるのだ。

とくに、オスワリ一筋丸二年の姫の成長ぶりはめざましかった。たかがオスワリと言うなかれ、何しろ1年前には家の外では一切座らない犬だったのだ。それがいまや見ず知らずの他人や他の犬にじっと見つめられ、緊張度120%の状況でもちゃんと座れるようになったのである。他人から見ればたかがオスワリで何をそんなに騒いでいると言われそうだが、当の本犬と飼い主にしてみれば、人類が月に到達したような大進歩だったのだ。

むろん、課題や問題点もたくさん目についた。これから直さなくてはならないところも多々あるが、それはまた追々やっていけばいいことだ。

ともかく、誰がなんと言おうと、我が愛犬たちは確実に毎日一歩ずつ進歩している。それを目の当たりにして、感涙にむせぶ飼い主バカなのである。

RIMG0736.JPG
連日のお出かけで疲れ切った姫さんと専用枕の図

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:53| Comment(5) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月03日

ハンター!?

朝っぱらから大騒ぎがあった。

むろん朝といっても管理人の朝なので、世間の人はとっくに会社に行っている時間である(←早起き生活?!……過去はふり返らないのが管理人のいいところだ)。いつものように寝ぼけ眼の管理人が散歩の支度をするあいだ、犬たちは庭で排泄を済ませていた。目が半分開いた状態で、管理人が機械的に部屋の雨戸を開けているとき、排泄を済ませたカイと姫が目配せするのが管理人の目の端に写った。

はて、あの2頭がこそこそ何かを相談しているとは、妙なこと……

ディーがいなくなってから、カイと姫の関係はよく言えば単なる同居犬、悪く言えば他犬の関係、要は一緒に暮らし寝食共にしているとはいえ、あくまでもそこにいるからしかたなくという態度がありありと見える。最初は仲の悪かったディーと姫だが、最近は気が向けば一緒に遊んだりする関係になっていた。ディーとカイは兄弟犬なのでもちろんしょっちゅう一緒に遊んでいた。つまりディーがあいだに立って3頭の群のハーモニーができていたのである。そのディーがいなくなってしまった今、カイと姫の微妙な関係が続いている。小学校のとき、3人で仲良しトリオだったのが、中心となる1人が転校してしまったあと、残された2人がなんとなく気まずくなってしまう……要はそんな感じなのだ。

ところがきょうはその2頭がこそこそ何かを相談している。やがて、2頭は尻尾振り振り家の裏へと駆けていった。もしかして、ジィジとのいたちごっこを繰り広げながら、姫がせっせと毎日掘り進めている秘密トンネルを一緒に掘りに行ったのかと考えていると、やがて裏手から犬たちの妙な鳴き声が聞こえてきた。

これはおかしい……ぜったいにおかしい!!!!

管理人が駆けつけると、そこではバトルが繰りひろげられていた。バトルの相手はよく近所で見かける野良猫。1対2の戦いはどう考えても身体も小さく弱いはずの猫のほうが優勢だった。

姫、猛然と猫に飛びかかった!

猫はひらりと身をかわした!!!

猫の攻撃! 姫は3のダメージ!

カイちゃん、勇気を持って猫に突進!!

猫はカイの背中にひらりと乗って爪を立てる!!!!

カイちゃん、悲鳴と共に後退!


管理人の頭のなかではツクールの戦闘のテーマが流れていた(納期を終えて暇なんで最近またRPGゲームにはまっている)。大きさはさておいて、管理人の見る限りこのバトルは完全にボスキャラ戦の様相を呈している。そりゃそうだわな。主要戦力だったディーがこの場にいないんだもの。歌声で勝負の姫と回復専門のカイちゃんじゃ子猫相手でも勝てるわけないわ。おまけに追いつめられた猫は、やる気満々でかかってくる。何とか退路を開けて猫をその場から逃がそうとする管理人の脚に飛びついてきて噛みつく始末である。

こりゃ、ともかく犬たちを回収して家に入れないことには、そのうち犬たちが大怪我をする。犬と猫の喧嘩の場合、猫のほうがやられるということはまずほとんどありえないのだ。ふつうのペットで飼われている犬の場合、身体は小さくてもぜったいに猫のほうが強い。猫は身も軽いし、興奮するとためらいなく爪を立てたり噛みついたりする。それに対してふつうの犬は(猟犬として飼われている犬の場合はちがうが)よっぽどのことがない限り猫相手に真剣に牙をむくことなどありえない。

犬たちにとって、これは単なる遊びなのだ。それに対して野良猫は命を賭けて戦っている。どちらに武があるかは火を見るより明らかだ。

で、ともかく犬たちを捕まえたいのだが、持っていたリードはすでに敵にとられている(猫を追い払おうと振り回したとき、猫が爪を引っかけて、思いっきり反対側にぶっ飛んだのだ)。仕方がないのでまず姫を捕まえ、そのまま姫だけを連れてじりじりと玄関に向かって後退した。管理人と姫がいない状態でカイがひとりで応戦するということはありえない。腰抜けカイちゃんは、仲間のあとを追って慌てて戻ってくると踏んだのである。

管理人の読みは当たった。飼い主と頼りになる仲間がじりじりと撤収していくのを見て、猫に対して「ガーッ」とか「ウォーッ」とか妙な威嚇の声を出しながらも(威嚇するまでもなく、猫は自分のテリトリーに入ってこなければ反撃などしないのだが)カイも玄関に向かってジリジリと後退し始めた。

ようやく2頭を回収し、どうにか自力で玄関を開け(ジィジが家にいたのだが、いつもの通りまったく役には立たなかった)、犬たちをそのなかに放り込んでから水を持って猫のようすを見に行った。

まだ興奮冷めやらぬ猫は、管理人の姿を見ただけでまたもや「シャーッ」と戦闘モードに入っていたが、水の皿を置いて、安全な距離まで下がって見ていると、ゆっくりとだが皿に近寄って動きだした。見たところ血は出ていないようだし、脚を引きずっているようすもない。身体のどこかを嘗めているようすも見えない(動物は怪我をしたり、痛いときはその部分をしきりに嘗めるものだ)。とりあえずは大丈夫だろうと踏んで、猫をそのままにして家に戻った。

まったく、朝っぱらから近所中に犬の嬌声と管理人の怒号が響き渡る大騒ぎである。もしかして、ものすご〜く訓練の入った使役犬みたいな犬ならば「No Come」と言えば飼い主の元におとなしく戻ってくるのかもしれないが、ハウンドの本能に火がついてしまった2頭のフツーの犬をフツーの飼い主が扱うのは、やはり容易ではない。

それにしても、猫を取り囲んで巧く逃げ道を塞ぎ、ジリジリと追いつめながら歓喜の声をあげている2頭を見て、やはりこいつらの祖先は猟犬なのだ、こいつらは猟をするために生まれてきているのだ、とつくづく思った。猟のしかたなど教えたことはないのに、ちゃんとポジションをとって、群で猟をするあたり、犬の本能はすごいとつくづく感心する。1年教えてもいまだにフセができないのに、どうしてそういうことは教えなくてもできるのやら……これをヒントにまた新たな姫のトレーニング方法を考えなければと頭をひねる管理人である。

DKH107.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:46| Comment(8) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする