2006年08月20日

かんしゃく

きのうのジュニが来た話のつづきだが……

猫を見たとき、どういう反応を示すかは、個体によってちがいがある。カイはじっと子猫を見つめ少しずつケージににじり寄っていき、ときどき近づき過ぎて鼻面に爪を立てられ、シャーと威嚇されて2歩下がるなんてことを延々続けていたのだが、姫の場合はカイに比べるとこらえ性がない。おまけに興奮すると絶叫する癖はあいかわらずなので、思いきりジュニに嫌われて、ほとんどケージのそばに近寄ることもできなかった。

そうなると、姫はとてもストレスを溜める。目の前に欲しいものがあって、それが手に入らないと判って、床に寝ころび足をバタバタさせるおもちゃ売り場の子どもと一緒で、かんしゃくを起こして絶叫マシンと化し、ついには抗議行動に出るのである。

姫の場合は、その抗議行動がお漏らしという形になる。

これは管理人が約2年姫と一緒に暮らしてみて、ようやく判ったことなのだ。犬も気に入らないことがあれば、抗議行動に出るし、嫌がらせだってちゃんとやる。3ヶ月あまり、ほとんどトイレの失敗なしで来た割に、今回久しぶりに姫はトイレ以外の場所でシッコをたれまくったのである。

一昨日の記事で書いたように、姫のお漏らしの原因のひとつは、発作の際の失禁だ。そのほかに、トイレに駆け込むのが間に合わなくてその場でジャーッという失敗もやっていた。とくに冬場、気温が下がってくると多い現象だったので、これに関しては、室温を上げたり、服を着せることによってこの冬かなり改善することができた。もうひとつ、純粋なマーキングというのもあるのだが、これについては、姫がテリトリーを侵されるという脅威を感じるような大型のメス犬が来たときのみと決まっているので、そのときだけ注意しておけばたいした問題にはならない。

管理人の考えでは、姫のお漏らし問題で最大の難関は、今回のような抗議シッコという奴なのだ。自分の思い通りにならないことから、かんしゃくを起こしてお漏らしする場合、直前にトイレで排泄させておいても効果はない。完全に膀胱を空にしておかないかぎり、奴はとんでもないところでジャーとやってしまう。たとえば、ツチノコ兄弟だけ○○させてもらえて、姫はダメなどといわれると、とたんにその場で水たまりを作る。我が家に来た当初はこれがあまりに頻繁だったので管理人は頭を抱えた。

姫はトイレの位置を最初の日からちゃんと認識していたのである。にもかかわらずとんでもない所でお漏らしする理由が、管理人には当初どうしても理解できなかった。

たとえば、それがマーキングであれば、毎回臭いがついた同じ場所でやるはずだ。ところが位置はそのときによってさまざまだった。尿意が我慢できないような時間帯だけではなく、散歩から帰ってすぐにやることもあったのだ。いったい何が姫にそうさせるのか。姫がお漏らしをした前後の状況を考えることで、ようやくそれがかんしゃくを起こしたときの抗議シッコだということに気づいたのである。

理由はわかっても、いまだに抗議シッコを完全に止めさせるまでには至っていない。きのうのように新たな状況下で姫がキーッとなるような事態が起これば、やっぱり姫はかんしゃくを起こしてその場でシッコをたれるのだ。だが、よくあるケースに関しては、時間をかければ抗議シッコを止めさせることはできる。

たとえば、いまだに姫はお茶の間だけは入ってはいけないことになっているのだが(茶の間の畳に歴代の犬たちがお粗相をしているため、マーキングする可能性が高いせい)ツチノコたちが茶の間に入っていても、姫がキーッとならないように、管理人と一緒にキッチンにいるほうがよいことが起こるということを時間をかけて教えていった。姫だけキッチンに残されたときは、それ相応の報酬が振る舞われる。料理をしている管理人から肉の端きれをちょうだいしたり、チーズを少し口に入れてもらえたり、茶の間に入るよりも、ここにいたほうが得だぞ、と姫に思わせることで、自分だけが○○させてもらえない、という被害者意識を○○できてラッキーという肯定的な意識に替えてやり、かんしゃくを起こす回数を減らしていった。

たかがトイレの失敗といっても、理由はさまざまだ。なかには、姫のように複合的な理由で失敗を繰りかえすコもいるだろう。むろん、粗相をしていはいけない、と教えることは大切だが、たとえば姫のように持病が原因で不可抗力のお漏らしをしてしまうケースに対しても一律に叱って済むことかというと、管理人は疑問に思う。たとえば寒い時期に失敗が頻発するのであれば、膀胱炎の可能性も疑ってみたほうがいい。つねにお漏らし=叱るという方法をとった場合、トイレ以外で漏らしてはいけない、ということは教えられるが、犬の立場になってみると、ちと理不尽な気もしないではないのだ。人間だって、具合が悪くてお漏らししてしまうことってきっとある。判っていても出てしまうというのは、犬にとってもきっと不快な体験なのだ。

だから、犬猫屋敷では姫が発作のときに漏らした場合、それはべつに粗相にはあたらない。床を拭いて掃除をするのは一緒だが、姫に話しかけながら、管理人はべつに怒っているわけではないということをきちんと形で表明する。逆に抗議シッコをした場合は、目一杯遺憾の意を表明する。

きのうも管理人が床掃除をしている間、姫は完全に無視され、その後管理人がドアをガチャンと閉めて部屋を出て行ってしまったあと、姫はひとしきり部屋で反省させられたのである。

抗議シッコをするしないは、姫の自由意志なのだ。だから、姫が抗議シッコをするのは得策ではないと自ら悟った時点で、姫のお漏らし癖という問題行動は完全になくなる、と管理人は信じている。

トイレの失敗というのは、些細な問題なのだが、じつは飼い主を悩ませる問題行動のひとつである。じっさい、管理人も疲れて帰ってきてまず姫の粗相の後始末をする生活には、正直疲れ果ててしまった。姫がこのせいで捨てられたかどうかは、管理人にも判らないが、それでも姫が飼い主を失った理由の一端はきっとこんなところにあったのではないか、と管理人は考えている。

でも、直せるんだよ。成犬で、トイレのしつけができていないときたら、たいていの人はもう直らないと思いこむが、時間をかければどんなことだって直せるのだ。問題行動と一口にいっても、じつは理由も原因も対処法もさまざまだ。姫のトイレ問題のように、複合的な要因がある場合には、ひとつひとつ問題をつぶしていかなくてはならなくなるし、それぞれに正解を探すまでに膨大な時間がかかる場合も多いのだが、それでも諦めずに地道に対処していけばぜったいにいつかは直せる

それを知っている人が増えるだけで、きっと捨てられる犬の何割かは助けられるんじゃないだろうか? そんな風に思いをめぐらせる管理人なのだ。

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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