2006年08月02日

失敗

門構えをリフォームするついでに、このたび、過去の日記を最初の1年分だけ復活させた。後半半年あまりは、ブログで書いていたものをテキストにコピーしただけなので、サイトにあげるためにhtml形式に整形しなくてはならない。一気にやるには量が多すぎたので、こちらは追々暇を見つけて1ヶ月分くらいずつ上げていこうと思っているが、いったん消した日記をなぜ復活させたかについて、少しだけ補足説明をしておきたい。

何人かのかたから、以前の日記をまた読みたい、まだ途中までしか読んでなかったのに、消えちゃって残念、もう一度サイトに上げて! というリクエストをいただいた。こんな素人の犬飼いオバサンの戯言を読んでおもしろい、と言ってくださるかたがいることじたい、とても嬉しいことなのだが、当初、管理人としては昔自分が書いたものをまた人目にさらすことに抵抗があった。

姫が我が家に来て、この2年で管理人は犬飼いとして大きく変わった。姫の問題行動に頭を悩ませたおかげで、否が応でも勉強せざるをえなかったし、おかげでさまざまな新しい事実に遅まきながら気がついた。いま読み返すと、姫が来た当初の管理人の対応は、まったくなっていないひどいものだ。姫の問題行動を助長してしまったのは、管理人の対応がまずかったせいなのは明らかだ。

自ら進んで恥をかこうという馬鹿な人間はいない。できれば他人からよく見られたいし、自分の失敗は隠しておきたい。

さまざまな理由があっていったんサイトを閉じたとき、過去の記録をすべて消したのは、スパムがたくさんついて処理が面倒になったのが一番の理由だが、心の隅で、みっともない自分をこれ以上世間にさらしたくないという心理が働いたのもまた事実である。

だって、以前書いていたことは、ほんとうにまちがいだらけなんだもんふらふら

にもかかわらず、もう一度わざわざその恥をさらそうと決めたのには、管理人なりの理由がある。まずひとつは、約3ヶ月間犬猫屋敷の管理人であることを止めたおかげで、バーチャル人格はしょせんバーチャルでリアルの自分とはかけ離れた別物だということを実感したからだ。バーチャルの自分を消し去っても、ふだんの暮らしで困ることなど何もなかった。却って自由な時間がたくさんできて、犬をグリグリする時間も増えたし、人間関係もすっきりしたおかげでストレスもきれいさっぱりなくなった。つまり、あれほど一生懸命になっていた犬猫屋敷というバーチャルの世界が、しょせんは架空空間の産物であるということを身をもって感じたのだ。

犬猫屋敷の管理人と本名の自分は、もちろん完全に別物ではないけれど、さりとて100%イコールになるわけではない。犬猫屋敷の管理人は自分の一部であって、分身ではないので、犬猫屋敷の管理人がいくら世間で恥をかこうが本名の自分としては痛くも痒くもないのである。だからあえて失敗を公開して大恥をかいても、べつにぜんぜんOKじゃん、と単純な管理人は思ったのだ。

もうひとつ、敢えて過去の失敗を公開しようと決めた理由は、犬猫屋敷を再開し、細々とでも続けていこうと決めたのと同じで、こんな素人飼い主の日常を綴る下らないサイトであっても、中にはそれで救われる人がひとりぐらいはいるかもしれない、という微かな期待があるからだ。

管理人は姫をもらった当初、何度も壁につきあたってほんとうにどうしていいか判らず、藁にもすがる思いであちらこちらのサイトを回っていた時期がある。「しつけ」「問題行動」などのキーワードで、それこそ何百というサイトをめぐったが、管理人の欲しい情報が載っていたサイトは残念ながらひとつも見つけることができなかった。

「無駄吠えの問題行動を繰りかえす場合は、まずオスワリさせて……」

すみません、うちの犬はオスワリができないんですけど……その場合の対処の仕方はどうすればいいんでしょうか?

「トイレのしつけは、したそうなそぶりを見せたら、トイレに連れて行き、できたらよく褒めてやりましょう。トイレの場所さえ覚えれば……」

姫は1日目からトイレがどこかは知っているんですが……それでも廊下でじゃーっとやっちゃう場合にはどうしたらいいんでしょうか?

日本に星の数ほどある「しつけに関するサイト」のほとんどが、失敗せずにしつけをする方法ばかり書いている。ついでにいえば、そのターゲットとする客層はこれから犬を飼おうとする人であって、犬としてはパピーが対象だ。すでに成犬になっている犬を家に迎え入れる家庭がまだまだ少ないこの国では、しつけといえばその対象がパピーオンリーとなっても仕方がない。だから多くの人が、成犬の躾なおしなど最初から無理と諦めてしまう。

じつは成犬の躾なおしとパピーのしつけは、やりかた自体は何も変わらない。ただ時間がかかるのと、それぞれの個体に応じて、時としてちょっとした工夫が必要になるだけだ。だが、失敗させないしつけの方法ばかりでは、すでに失敗してしまった飼い主は途方に暮れてしまうだけなのだ。

里親募集に出てくる捨てられた犬の多くは、一度失敗してしまった犬たちだ。

こういうことを書くとまたあちらこちらから石つぶてが飛んでくるのだが、姫をもらった経験と、一時レスキューに関わっていたころの経験から、少なくとも管理人はそう思っている。飼い主が鬼のような人間で、犬を物のように捨てるというケースもないわけではないのだが、ちょっとした工夫やトレーニングで直せるような1つか2つの悪癖が元で、犬に愛情が持てなくなって、結果的に手放してしまう飼い主も多いのだ、と管理人は思っている。そういう、すでに失敗を犯してしまった飼い主に、失敗しないしつけの仕方を教えたところで、あまり効果はないでしょう? それよりも、失敗してもいつでも取り返しがつくのだ、ということを説いた方が役に立つのではありませんか?

犬猫屋敷の管理人日記を読んでも、正しい犬の飼い方は判らない。即座に効果が出る問題行動の直し方も書いてない。ここに書かれているのは、不器用でものぐさなダメ飼い主とちょっと難ありのどこにでもいるふつうの犬たちのお気楽なご陽気犬飼い生活だ。何度も馬鹿な失敗を繰りかえし、それでも落ち込むことなく、諦めることもなく、なんとなく毎日平凡な暮らしを続けながら、きのうよりはちょっと成長した愛犬の姿に一喜一憂しながら日々の暮らしを続けていく。スーパードッグになる気もない犬と愛犬をスーパードッグにする気もない飼い主が、のんべんだらりと生活しているようすが、他人の役に立つとはとうてい思えないが、それでも、一時の管理人のように八方ふさがりで困り果てている人には、何かの助けになるかもしれない。

「なぁ〜んだ、これに比べればうちはぜんぜんふつうだわ」

「うちのポチは姫に比べればお手もできるしじゅうぶん優秀な名犬だ」

「オスワリに2年もかけてる管理人に比べれば、うちなんか半年でフセまでいったんだから、よっぽどわたしの方が優秀じゃん」

「あの管理人、立ち直り、早っ! そうか、犬のしつけに失敗したら、また一からやり直せばいいだけなんだ」

ここを見に来て何を考えるかは、読者のかたの自由だが、少なくとも失敗しても何度でもやり直しはきく、ということだけは、伝えられればいいなと管理人は思っている。

この半年で、姫は驚くほど成長した。試行錯誤を続け、失敗つづきだった1年半が嘘のように姫はごくふつうの、飼いやすい家庭犬に変身した。遅々とした歩みだが、少しずつコマンドも覚え、トイレの失敗もなくなり、散歩の途中やお留守番の際の吠え癖もほとんど気にならないまでになった。正直、管理人自身も何がきっかけですべてが上向きになったのかは判らない。ただひとつだけ言えるのは、何らかの理由で悪循環が断ち切られたことで、上昇気流に乗り始めたということだけだ。

犬との暮らしなんてじつはそんなものなのだ。ちょっとした悪癖のせいで飼い主が顔をしかめ、犬を褒めるより叱るほうが多くなって、犬はますますどうしていいかわからず問題行動を繰りかえす。そんなダウンスパイラルに入ってしまったら、行きつく先は飼育放棄だ。逆にちょっとした問題が起こっても、まあいいさ、とどんと構えているだけでも、じつは最悪の事態は免れる。犬に可愛い首輪や服を新調して、おしゃれをさせてみるだけだって気分はちょっと明るくなる。ぜんぜんちがうトレーニングを始めてみて、それが巧くできればうちの犬って天才かもしれないと思いだす。
犬との暮らしなんて、じつは平凡な日常の繰りかえしなのだ。小さな失敗を山ほど繰りかえしても、明日起きればまた新しい1日のスタートだ。

手前みそだが、敷物なしではフセができなかったうちの姫さまだが、なんとこの1週間で床の上でも伏せるようになった。いまではキッチン、廊下などほぼ家中のすべての場所で100%の確率でフセをするようになった。現在の最長不倒距離は玄関のたたきで、ドアの結界を超えるのもそれほど遠い将来ではない、と管理人は信じている。

オスワリの2年に比べて、ほぼ1年でフセを完成しつつある我がお姫さまに鼻高々な管理人であるわーい(嬉しい顔)

Hime328.JPG

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 18:10| Comment(3) | TrackBack(0) | | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
なんか、よくわからない姫様って、
いじらしいよ〜。
ねじれてる首もかわいいよ〜。

そろそろカイくんの日記も読みたいよ〜。
Posted by ワハ母 at 2006年08月03日 10:27
今更ですが・・・
再開されて嬉しいです。
しつけって何状態で探し当てた管理人様のブログ。私にはとても勉強になりました。躾本ではわからない生の言葉。これがありがたかった。失敗を失敗で終わらせずに日々精進。そんな姿勢を教わりました。
これからも、どうぞよろしくお願いします。
Posted by Rexママ at 2006年08月03日 11:56
★★ワハ母さま江★★
お互い中途採用犬と暮らす身。パピーから育てた犬とはちがったおもしろさがあると思いませんか? ハンナさんの謎の前の飼い主のように姫の昔の暮らしもとても知りたい気がします。

なんで首がねじれているかというと、デッカイ姫ダラ(L)を食しているところだからなのよ。カイちゃん日記、そういえば最近やってないですね。でもいま書かせたら、愚痴ばかりになりそうで(^_^;)

★★Rexママさま江★★
お久しぶりです! あいかわらずパワフルなRexくんの日常、楽しみに読ませていただいてますよ。ツチノコ兄弟が子犬だったころのことを思いだすんだ。身体はデカイが思いっきり子ども……痣だらけの毎日でございました。ものすごく苦労したけど、ディーを見送って思いだすのは、一番彼がやんちゃだった時代のことばかり。あとになると「楽しかったなぁ〜」って思える犬飼い生活を送れるのが何より幸せなことなのだ、と中年犬コンビを見つつ思うきょうこのごろ……

こんな個人の戯言が、ほんの少しでもお役に立てて嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いしますm(_ _)m
Posted by 管理人 at 2006年08月03日 21:11
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