2006年07月28日

伏せぬのなら

2年がかりで姫のオスワリを完成させた管理人にとって、次の姫ちゃんプロジェクトは何とかフセをさせることだった。

去年の秋、犬友たちと河原でBBQイベントをしたとき、我が家の3頭はフセができない、という驚愕の事実が発覚した。姫はともかく、ツチノコ兄弟に関しては、いちおう躾本に書いてある最低限のコマンドは入れたはずなので、できないわけはないのだが、素人飼い主は1歳過ぎで「ダウン」といったらフセをすることができるようになった時点で満足して、その後の反復練習を怠った。おかげでディーもカイも「ダウン」のコマンドの存在すらきれいさっぱり忘れ去っていたのである。

「フセぐらい、やらせられるやい!」

売り言葉に買い言葉で啖呵を切ってしまった手前、何年かかってもフセをさせないわけにはいかない状況に追い込まれたのだが、その当時姫はまだBBQの会場でも一瞬しかオスワリができない状態だった。

あんなこと言っちゃって、ほんとうにできるようになるんかい?

正直、管理人自身も半信半疑だった。しかし、大見得切った手前「できませんでした」と言うのもしゃくに障る。というわけで、姫にフセをさせるという壮大な計画が始まったのである。

ちなみに、ツチノコ兄弟は、3ヶ月もしないうちに「ダウン」のコマンドを思いだした。何しろ最低限しかコマンドを入れないずぼらな飼い主の犬たちである。オスワリ、お手など一通りやったあとで、それでもレバーがふるまわれないと判った時点で「もしかしたら、ずっと前にやったこれっすか?」みたいな顔で2頭ともちゃんとフセができたのだ。三つ子の魂百までとはこのことだ。下手くそながら、とりあえず最低限のコマンドだけは教えておいて良かった、と管理人は胸をなでおろしたのである。

だが、問題は「フセなんて、ぜったいしないわよ、あたしは!!!」と頑張って仁王立ちになっているお姫さまだ。フセのできない犬の場合、あのフセのポーズをもともとやらない、知らない犬であるケースもあるらしいのだが、姫の場合は部屋で休んでいるときはちゃんとフセのポーズをすることから、これはちがうとすぐに判った。つまり、オスワリの時とどうように「やりたくないから、やらない」だけなのだ。

いちおう念のため、世間の躾本に書いてある、前脚を引っぱる、膝を立ててその下をくぐらせるなんていうフセを教えるノウハウもすべてやってみた。むろん、そんな子供だましの手に引っかかる姫さまではない。一通りやった時点で、ますますへそを曲げて、しばらくは「ダウン」と言われただけでその場から逃げだすような状態にまでなってしまった。

こりゃぁ〜またオスワリと同じように長期戦でいくしかないわけね(ため息)

考えてみれば壮大な計画だが、オスワリで一度成功した経験から、そのうちできるようになることは判っていた。そこで、オスワリの時と同じように、なぜやらないか、というところから考えることにしたのだ。

ふつう、嫌がる犬にコマンドを教える場合、犬がぜったいにそれを手に入れたいと思うような報酬を前にぶら下げてやるのが効果的だ。たとえばレバーを見せて、これが欲しいなら「フセをしろ」と言えば、遅かれ早かれ犬はそのコマンドに従うようになる。ツチノコ兄弟の場合は、これでたいていのことはやらせられる。ところが、姫の場合にはそれが効かないケースがあるのだ。たとえばクレートトレーニングに関しては、姫は驚くほどの早さ(約1ヶ月)でハウスのコマンドをマスターした。ところがオスワリには1年以上かかった。姫にとって、クレートに入ることはイヤではないし、そのうえ美味しいおやつがもらえるのなら、喜んで中に入るのだ。ところが、オスワリの場合はレバーぐらいでは割に合わない「座りたくない理由」があったのだ。そういうときには「座りたくない理由」を「座りたい理由」に変えてやる以外、姫に喜んでオスワリをさせる手段はない。

これがオスワリを教えて管理人が学んだ姫用のトレーニング方法である。そして、今回もまた姫には彼女なりに正統な「伏せたくない理由」があるようだったのだ。

ツチノコ兄弟はパピーから管理人が手塩にかけて育てた犬だ。ゆえにディーやカイが何かをしたくないと思うとき、管理人にはたいていその理由が即座に判る。前にこれをやったときこういう怖いことがあったから、とか7年間の記憶をひもとくことで、ほとんどの場合はこれだ、と思う状況が頭に浮かぶのだ。だから、ツチノコ兄弟が何かを「やりたくない」と拒否した場合には、その嫌な理由を取りのぞいてやるのは比較的たやすい。ところが、姫の場合はうちに来るまでの5年ほどの犬性がすべて謎の包まれている。ゆえに、なぜフセをしたくないのか、という理由を推理するしかないのだ。

幸い管理人はミステリーやパズルを解くのが大好きだ。ゆえに、姫がぜったいにやりたくないと思うものに関して、ぜったいにやらせてみよう、とますます燃えるのである。ミステリーの謎解きに一番必要なのは、観察して状況をきちんと把握することだ。というわけで今回もさまざまな状況でダウンのコマンドを試してみて、姫がどういう態度を示すかつぶさに観察することに約3ヶ月を費やした。

そうすることで、ついに、これは! と思うパターンを見つけだすことができたのである。

(つづきは明日)

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 22:36| Comment(0) | TrackBack(0) | しつけ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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