2006年07月22日

犬のパンツ

犬猫屋敷の御用達の犬具商人、越後屋がネットショップをオープンした。かつてはビビリ犬の代名詞だった愛犬ポセにあうように、軽くて負担が少ない首輪やリードを手作りしているうちに、これってもしかして商売になる? と思いたったのが、犬具屋Shy Dogの始まりだ。

ディーの闘病生活を経験して、じつは管理人も、軽くて丈夫で、犬に負担の少ないカラーやリードの重要性を身をもって体験した。ちょうど一ヶ月前のいまごろ、管理人は毎日、病気のディーを連れて短い散歩に行っていた。犬猫屋敷のトリオのようなデカ犬用の犬具というのは、どうしても金具がごつく重くなる。ふだんはあまり気にならないが、体力が衰えたディーにはそれだけでもそうとうの負担だったのだ。思わずフリーにして歩かせようかと思ったほど、最後はナスカンの重みが身体に堪えていた。

ディーが病気になって初めてわかったことだが、犬たちはいつもその重みを感じで散歩をしているのだ。これは由々しき事態であると思っていた管理人のところに3ヶ月ぶりに越後屋から千載一遇の電話が入ったのだ。

ちなみに、管理人と越後屋はこの春3ヶ月間絶交していた。きっかけは、いまとなっては覚えていないような些細なことだったのだが、とにかく、一時越後屋は管理人の「殺したい奴リスト」のトップに輝いていたのである。

管理人たちが喧嘩するのは、じつはあまり珍しいことではない。周りも、

「またやってるよ、どうせまた1週間もすれば仲直りするんだから、止めときゃいいのに……」


と呆れるほど、わりとしょっちゅう諍いを起こすのだ。だが、今回はふだんの喧嘩とは規模がちがった。何しろ最後には

「おまえの母さん、でべそ!」

「ついでにおまえもでべそじゃないか!!!!!」


てなところまでいってしまったのである。



やはり、でべそはいけない。



世の中、言っていいことと悪いことがある。だが、頭に血が昇ると小学校2年生レベルの会話になる管理人たちは周囲の呆れた視線にもめげず、派手な喧嘩を繰りひろげたのである。

で、その後3ヶ月間、お互いを「殺したい奴リスト」の筆頭に掲げたまま何やかんやと忙しく暮らしていた。ところが、ディーが病気になったことがきっかけで、また連絡をとりあうようになったのだ。人間、愛犬が瀕死の重症で伏せっているときは、でべその恨みも忘れるものだ。

夏休み前に大喧嘩して、新学期になるとけろっと以前のような親友に戻る小学生のごとく、管理人たちはふたたび悪友に復活したのである。長すぎた春休み中にいろいろ考えたおかげで、ふたりともちょっと大人になって、無事小学校3年生に進級できた。むろん、どっちが先に何回ごめんと言ったかについて、またもや揉めたのは言うまでもないが……

ともかく、そんなこんなで交流が再開した管理人と越後屋だが、今回越後屋が持ってきたオファーは美味しすぎるものだった。

「なあなあ、寝るとひやっとするドッグベッド欲しいっていってなかった?」

「欲しいよ。でも高いから買えない」

「おれんち、こんど犬具や始めんだけどさ、お客さまモニター募集中なんだけど……」

「それ、何すんの?」

「うちの製品使ってみて、使い心地とか改善点とか指摘してくれればいいの」

「それって、タダでドッグベッドもらえて、おまけにぼろくそに文句いっていいってこと?」

「……できれば前向きな意見が聞きたいんだけど」

「でも、タダでもらったものに好き勝手言っていいってことでしょ?」

「まあね」

「やるわ」

というわけで、管理人はしっかりドッグベッドをタダでせしめてすっかりご機嫌になったのだ。

「いちおう、うちのメインはカラーとリードなんだけどさ」

「ふ〜ん、誰がデザインしてんの?」

「生地選んでるのは、オレ」

「いらない」

「…………(気を取り直して)姫に可愛い女の子っぽい奴作ってやるよ。お客さまモニター用にさ」

越後屋のセンスで女の子っぽい可愛いの、といったら、ぜったいにピンクのフリフリでハートやらリボンが飛び散ったようなとんでもない物を持ってくるに決まっている。飼い主だから断言できる。姫にはピンクは似合わない。

「うちの犬具は軽くて丈夫っていうのが売りでさ」

「軽いの?」

「そうそう、金具は強度が同じ中で一番軽いのを選んでるのね」

「ほぉ〜」

「それにコットンだから抜群に軽いし、簡単に洗えるし」

「なるほど……」

「そうだなぁ〜、カイは黒いから、赤なんか似合うよな。たとえば魚偏の漢字とか……」

「魚偏の漢字?」

「そう、寿司屋の湯飲みに書いてあるような奴」


越後屋のセンスはアタリかハズレか、管理人に言わせると両極端だ。今回はどうやらアタリのほうに振れているらしい。

「ス・テ・キ! それ欲しい!」

「だろ? ぜったいイケテルって思ったんだ。買ってきたときは、そんなの誰が使うって周りから非難囂々だったんだけどさ……」

「他にはどんな柄があるわけ?」

「そうだなぁ〜空豆とか?」

「姫は、それだわね!」

けっきょく、他にもいろいろ柄があると聞いて、久しぶりに犬たちを遊ばせるついでに、店主自らが車を飛ばして我が家に反物を持ってやってきた。

「おひいさま、こちらの水玉柄なんか、よくお似合いでございますよ」

「いいわね、それいただくわ。リードも一緒に。いつものようにつけにしておいてね」

「現金で払え!!!」

ちなみにShy dogのカラーとリードはすべてオーダーメイドの手作りだ。だがサイズ表を見る限り、うちの子たちはLサイズでも入らない。

「ちょっと、Lサイズまでしかないんじゃ、2頭とも入らないじゃないの!」

「オーダーメイドだから、サイズに合わせて作るんだよ」

「でも特注は追加料金とるんでしょ? 材料費がかかるから、とか言って……どうせデカ犬はお金がかかるようにできてんのよねぇ〜」

「うちは追加料金なしよ。材料費は少し高くなるけど、大型犬用のほうが作る手間は楽だから」

「あんたが神さまに見えてきた。じゃあ、こっちの黒いのとストライプのも一緒に注文する!」

というわけで、現在管理人とデカ犬コンビは、おあつらえの首輪リードのセットが届くのをわくわくしながら待っているのだ。友だち相手なので、思いっきりわがままにリードも我が家で使い易い長さで作ってもらうことにした。

デカ犬用だと、たかが首輪とリードでもけっこうな値段がするものだ。洗い替えにいくつか欲しいと思っても、けっきょく実用本位の丈夫で長持ちなものを選んでしまう。

「その日の気分で、首輪を変えていろいろ楽しんでもらいたいんだよ。だから当店ではお求めやすい価格でよい製品をご提供しております。首輪をTシャツ感覚で……」

「パンツみたいなもんね!」

「パ……パンツ?」

「そう、パンツ! パンツって洗濯したときのためにたくさん持ってないとダメじゃない!」

「なんで、パンツなんだよぉ〜」

「だって、パンツっていつでも履いてるもんじゃない。犬にとっては首輪はいつもつけてるもんでしょ? だから首輪は犬のパンツなの!!」

「オレは犬のパンツ屋か?!」


ちょっと高級なランチを1回食べるお値段で、愛犬に可愛いパンツ首輪を買ってやれるのなら、貧乏飼い主の懐だって大して痛まない。季節によってどんどん新柄が出るようだし、こまめにチェックすればこれは!と思う逸品に会えるかもしれない。

犬猫屋敷御用達の犬のパンツ屋具屋Shy Dogをどーぞご贔屓に!

【管理人の独り言の最新記事】
ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 管理人の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
実は私も Shy DogさんのHPを見て、魚編のカラーがすごくいいなぁ、と思っていたの。絶対他では売っていない柄だし。でもうちのデカ犬、体だけじゃなくて首周りも半端じゃないからLサイズじゃとても入らないし、追加料金かかっちゃうしなぁ、といじいじしてたんだ。
はは、管理人さんと考えること同じ。
Posted by Gしおん at 2006年07月22日 09:52
魚偏の漢字、いいっしょ? 管理人も即座に飛びつきましたぜ。ディーが元気だったら、赤と青で色違いも可愛かったのに、なんて涙ホロホロなりつつ(T_T)

けっきょくうちは、「おそろいはイヤです。仲間だと思われるじゃないですか!」というカイの抗議(?)によって、姫とカイにまったく種類の違う物で2セットずつオーダーしましたのよ!追加料金に慣れているデカ犬飼いとしては、それがないだけでもものすごく得した気分♪

頼んだセットが来たら、うちでいろいろ試してみて「犬猫屋敷のデカ犬が引いても壊れない!」って売りの文句に入れてもらうんだ!ぜひしおん君もおそろの色違いで作りましょうよ!
Posted by 管理人 at 2006年07月22日 17:56
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