2006年08月13日

生肉

ディーの病気のことを知っていた犬友の皆さんには、当時ずいぶんご心配をいただいて、ディーを元気づけにお見舞いに来てくださったり、癌に効くという食材やらサプリメントをいろいろちょうだいしたものだ。なかでもKAKOままさまがわざわざ遠くから送ってくださった生レバーのお見舞い品は、最後にディーに腹一杯食べさせてやりたかったのだが、残念ながらちょっとのちがいでディーの墓前に備えてやることしかできなかったのが、いまでも管理人の心残りのひとつとなっている。

せっかくいただいた美味しそうな生レバー、そこで通夜の精進料理(生レバーがかexclamation&question)として残った2頭にごちそうをやろうと、それを夕飯として出してやった。

飼い主が手を血だらけにしてレバーを切っている気配だけで、すでに姫は大興奮である。
「きょうはごちそうよぉぉ〜exclamationうぉうぉうぉうぉ〜るんるんるんるん

歌と踊りのダブルパンチで部屋とキッチンのあいだを走りまわり、白飯(ドライフード)を入れただけの餌皿を前に置いただけで、涎をたらさんばかりの勢いである。その後、食べやすい大きさに切ったレバーの入った器とともに飼い主がしずしずと登場すると、犬たちの興奮は最高潮に達した。
「ごちそう、ごちそうexclamation早くちょうだい!! うぉうぉうぉうぉ〜るんるんるんるん

「カイちゃん、姫ちゃん、きょうは食べたこともないようなごちそうだよぉ〜ん! さあ、生レバーをたんとおあがり!」

レバーをスプーンですくって白飯(ドライフード)の皿にのせてやると、2頭は即座に皿に顔を突っ込み、生肉の臭いを嗅いだあと困ったようすで顔を見合わせた。
「なにこれ! 火が通ってないじゃないのむかっ(怒り)





…………犬だろ、おまえらがく〜(落胆した顔)





ふつう犬は生肉がごちそうのはずだ。たしかにカイはドライフードベースでずっと育ててきたが、姫は放浪生活の経験もあるし、生肉ぐらい食べたことがあると思っていたのだが……
「生はダメ、お腹壊すわよ」

ふつう犬は腐りかけの生肉を食べたって腹を下したりはしない。腸の作りがそういうふうにできているのだ。第一KAKOままさんがわざわざ送ってくださった肉は、人間だって食べられる生食用の新鮮なレバーである。色つやもよくてぷりぷりしてて、飼い主が思わず涎をたらすほどの逸品なのだ。
「騙されたと思って一口食べてごらんよ。病みつきになるから。マジで美味しいんだから!」

「いやよ、生肉なんてたべられないわよ! あんたも食べない方がいいわよ。生はダメ。お腹壊すから」

けっきょく2頭はため息をつきながら白飯(ドライフード)だけをぼつぼつ選んで食べ始めた。恨みがましい顔でこちらを見ている表情には
「おかずがないと食べられないわよ。まったく」

と書いてあるような気がしたもうやだ〜(悲しい顔)

まったくご馳走しがいのない奴らである。レバーがついた部分だけを器用に避け、それ以外のドライフードをぽつぽつ拾って食べているようすを見て、もったいないけどちょっとだけレバーに火を通してやることにした。

表面だけあぶったレバーを持ってふたたび飼い主が登場すると、その臭いに犬たちの興奮がふたたびよみがえった。
「いやぁ〜んexclamation×2 きょうはやっぱりごちそうよぉぉ〜exclamationうぉうぉうぉうぉ〜exclamationexclamation ちょっとちょっと、いい臭いじゃない、もう臭いだけで白飯3杯はいけそうだわぁ〜」

いきなりドライフードの皿に顔を突っ込み、まだレバーも入れていないのにガツガツ食べ始める姫。




……なんなんだ、おまえはふらふら




表面にちょっと火を通したレバーのたたき(?)は犬たちに大好評だった。もう2頭とも狂ったように食べだし、最後は空になった皿を未練がましく嘗めているのだ。

なんなんでしょうか、このちがいは……

せっかくわざわざ送ってくださったのに、うちの奴らには生肉の美味さが理解できないのだ。めったに食べられないご馳走を食わせてやろうというのに、まったく食べさせ甲斐のない奴らである。だが考えてみれば、病気のディーに力をつけさせようとわざわざ買ってやった、生食用のブロイラーではない良質な高級鶏肉にも、奴らは見向きもしなかった。ふだん食べているものの数倍の値段がするというのに、せっかく大枚はたいて買ってやったというのにあせあせ(飛び散る汗)

けっきょくその高級鶏肉は人間さまの親子どんぶりに変身した。今回の生レバーの残りもどうように人間さまの夕飯に早変わりしたのである。



そして、その数日後……



犬連れで外出したお気楽姉妹は、昼食を食べそびれ空腹のあまり途中のマックでドライブスルーに寄り、ファーストフードとポテトを買って車のなかで食べていた。車内に揚げたてのポテトの香ばしい臭いが漂った瞬間、首筋に生暖かい息が……

ふと見ると、後部座席で爆睡していたはずの姫が起きあがって、運転席の背もたれに顔を乗せて鼻をフガフガさせていた。
「ちょっと、ちょっと、ちょっと、それって揚げたてポテトじゃないの、ちょうだい、あたしにもひとつちょうだいexclamation×2

やらねぇ〜よパンチまったくこいつと来たら、生肉は食べられないのにマックポテトは食べるのかexclamation&question

姫がどんな家で飼われていてどんな放浪生活を送っていたかは知らないが、うちとどうよう、あまりよい食生活をしていなかったことだけは、まちがいないようだ。

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:50| Comment(3) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする