2006年07月08日

変化

DJがいなくなって、管理人を含め家族が一番心配したのは、カイザーがディーの死をどう受け止めるかという問題だ。2頭は生まれたときからずっと一緒に暮らしてきた。カイザーが脚に怪我をして1日入院したときと、ディーだけを連れて出かけるという非常にレアな状況を除いて、彼らはいつも一緒にいた。その片割れがいなくなったことで、カイが大きなストレスを受けるのは、ほぼまちがいなかった。人間もそうだが、ストレスというのは大敵だ。仲のよかった群の仲間がいなくなって、残された犬があとを追うように逝ってしまったというのは決して珍しい話ではないのだ。

人間が考えるより、犬はずっと繊細な生き物だ。群で生きる社会性のある動物であるが故、ちょっとした生活の変化が原因で体調を崩すこともままある。たとえば、それまでずっと家にいた飼い主が、頻繁に出かけるようになっただけで餌を食べなくなったり、問題行動を起こしたりする。

カイの場合も、ディーを見送って数日はたしかに元気がなかった。餌もなかなか食べようとしなかったし、ディーの具合が悪くなってからはほとんど一緒には行っていなかったにもかかわらず、散歩のときもしょんぼりしていつものカイらしくなかった。

だが、ディーの死から1週間、10日と経つうちに、しだいに以前の元気を取りもどしてきた。カイの心理にどのような変化があったかはわからないが、いまは以前の通り餌も残さず食べるようになったし、散歩も尻尾振り振り元気に出かけるようになっている。

翌日火葬場に連れて行くまでのあいだ、ディーの遺体は部屋の隅を囲ってそこに寝かせておいた。管理人が寝ているあいだに、他の2頭が悪さをしないよう柵を立てておいたのだが、カイがその柵越しに動かなくなったディーの姿をじっと見つめていたのが印象的だった。犬が仲間の死というものをどう受け止めるかは管理人にもわからない。ただ、カイが自分なりに相棒に対してお別れをいっていたような気もするのだ。

ディーがいなくなったことで、カイの態度に変化が生じた。

犬猫屋敷の犬たちの順列は、ディー、姫、カイにある程度固定されていたので、ディーがいなくなったあとは姫が群を仕切るのだろうと管理人は予想していたが、意外にもディーが抜けた穴を自分が埋めなければならない、とカイは考えている節がある。

パピーの頃から、カイは外で排泄するのがとても苦手で、できれば散歩の前に室内トイレか庭でぜんぶしていきたいというタイプの犬だった。マーキングもほとんどせず、小さい頃はお出かけ先では一切排泄ができないような臆病な犬だった。ところが、最近カイは散歩のたびにせっせとマーキングをするようになったのだ。ディーほど頻繁ではないものの、それでも要所要所で脚を上げるようになった。

散歩のとちゅうで群の仲間がちゃんとついてきているか、ふり返ってチェックして、遅れているものがいればその場で待つのも群の隊長としてのディーの役割だったのだが、最近はカイがこれをするようになった。

散歩から戻ったあと、玄関で足を拭いてもらう順番は、これまたディー、姫、カイとなんとなく決まっていたにもかかわらず、いまはカイが姫より先に足を拭いてもらおうと上がってくる。以前はカイに負けじと姫も先を争って上がってきたものだが、いまは、姫もカイが先に足を拭いてもらうのがとうぜんだと思っている節がある。

足を拭いたあと、カイはとうぜんのように風呂場に行く。そこで洗面器に水を張ってもらってそれを飲むのがディーは大好きだったのだが、なぜかいまはカイがそれを要求するようになった(別の要求吠えをするとか騒ぐわけではなく、ただ風呂場の入り口で物欲しそうな顔でたたずんでいるだけなのだが)。ディーがいた頃は洗面器の水などには見向きもせず、さっさと部屋に帰って部屋の水入れから飲んでいたにもかかわらず、いまは洗面器の水が大好きになった。

たぶんカイはこんな風に思っているのだ。

Kaiser089.jpg

このたび、新たに隊長に選出されたカイちゃんです。
一生懸命頑張りますので、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m


選出されたっていうか、単なる順送りだろうと管理人は思うのだが、本犬が張り切っている以上ともかくやらせておくのがいいのかな、と思っている。いままでは、ディーくんがいるからボクはいいや、と思っていたことを、カイはいませっせとやっているようなのだ。むろん、もともとアルファ気質が極端に弱いカイにとってディーの代わりは荷が重いだろうし、それじたいがストレスになるということも考えられる。とはいっても、マーキングするのを止めろとはいえないし、かといって、代わりに管理人がマーキングして回るわけにもいかないしふらふら

いずれにせよ、カイが今後どのように変わっていくのか、姫とカイの関係がどうなっていくか、犬猫屋敷の群全体にどういう変化が訪れるのか、管理人としては犬の小さな仕草を見逃さずに見守っていきたいと考えている。

ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 12:37| Comment(2) | TrackBack(0) | カイザー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする