2006年07月03日

ハンター!?

朝っぱらから大騒ぎがあった。

むろん朝といっても管理人の朝なので、世間の人はとっくに会社に行っている時間である(←早起き生活?!……過去はふり返らないのが管理人のいいところだ)。いつものように寝ぼけ眼の管理人が散歩の支度をするあいだ、犬たちは庭で排泄を済ませていた。目が半分開いた状態で、管理人が機械的に部屋の雨戸を開けているとき、排泄を済ませたカイと姫が目配せするのが管理人の目の端に写った。

はて、あの2頭がこそこそ何かを相談しているとは、妙なこと……

ディーがいなくなってから、カイと姫の関係はよく言えば単なる同居犬、悪く言えば他犬の関係、要は一緒に暮らし寝食共にしているとはいえ、あくまでもそこにいるからしかたなくという態度がありありと見える。最初は仲の悪かったディーと姫だが、最近は気が向けば一緒に遊んだりする関係になっていた。ディーとカイは兄弟犬なのでもちろんしょっちゅう一緒に遊んでいた。つまりディーがあいだに立って3頭の群のハーモニーができていたのである。そのディーがいなくなってしまった今、カイと姫の微妙な関係が続いている。小学校のとき、3人で仲良しトリオだったのが、中心となる1人が転校してしまったあと、残された2人がなんとなく気まずくなってしまう……要はそんな感じなのだ。

ところがきょうはその2頭がこそこそ何かを相談している。やがて、2頭は尻尾振り振り家の裏へと駆けていった。もしかして、ジィジとのいたちごっこを繰り広げながら、姫がせっせと毎日掘り進めている秘密トンネルを一緒に掘りに行ったのかと考えていると、やがて裏手から犬たちの妙な鳴き声が聞こえてきた。

これはおかしい……ぜったいにおかしい!!!!

管理人が駆けつけると、そこではバトルが繰りひろげられていた。バトルの相手はよく近所で見かける野良猫。1対2の戦いはどう考えても身体も小さく弱いはずの猫のほうが優勢だった。

姫、猛然と猫に飛びかかった!

猫はひらりと身をかわした!!!

猫の攻撃! 姫は3のダメージ!

カイちゃん、勇気を持って猫に突進!!

猫はカイの背中にひらりと乗って爪を立てる!!!!

カイちゃん、悲鳴と共に後退!


管理人の頭のなかではツクールの戦闘のテーマが流れていた(納期を終えて暇なんで最近またRPGゲームにはまっている)。大きさはさておいて、管理人の見る限りこのバトルは完全にボスキャラ戦の様相を呈している。そりゃそうだわな。主要戦力だったディーがこの場にいないんだもの。歌声で勝負の姫と回復専門のカイちゃんじゃ子猫相手でも勝てるわけないわ。おまけに追いつめられた猫は、やる気満々でかかってくる。何とか退路を開けて猫をその場から逃がそうとする管理人の脚に飛びついてきて噛みつく始末である。

こりゃ、ともかく犬たちを回収して家に入れないことには、そのうち犬たちが大怪我をする。犬と猫の喧嘩の場合、猫のほうがやられるということはまずほとんどありえないのだ。ふつうのペットで飼われている犬の場合、身体は小さくてもぜったいに猫のほうが強い。猫は身も軽いし、興奮するとためらいなく爪を立てたり噛みついたりする。それに対してふつうの犬は(猟犬として飼われている犬の場合はちがうが)よっぽどのことがない限り猫相手に真剣に牙をむくことなどありえない。

犬たちにとって、これは単なる遊びなのだ。それに対して野良猫は命を賭けて戦っている。どちらに武があるかは火を見るより明らかだ。

で、ともかく犬たちを捕まえたいのだが、持っていたリードはすでに敵にとられている(猫を追い払おうと振り回したとき、猫が爪を引っかけて、思いっきり反対側にぶっ飛んだのだ)。仕方がないのでまず姫を捕まえ、そのまま姫だけを連れてじりじりと玄関に向かって後退した。管理人と姫がいない状態でカイがひとりで応戦するということはありえない。腰抜けカイちゃんは、仲間のあとを追って慌てて戻ってくると踏んだのである。

管理人の読みは当たった。飼い主と頼りになる仲間がじりじりと撤収していくのを見て、猫に対して「ガーッ」とか「ウォーッ」とか妙な威嚇の声を出しながらも(威嚇するまでもなく、猫は自分のテリトリーに入ってこなければ反撃などしないのだが)カイも玄関に向かってジリジリと後退し始めた。

ようやく2頭を回収し、どうにか自力で玄関を開け(ジィジが家にいたのだが、いつもの通りまったく役には立たなかった)、犬たちをそのなかに放り込んでから水を持って猫のようすを見に行った。

まだ興奮冷めやらぬ猫は、管理人の姿を見ただけでまたもや「シャーッ」と戦闘モードに入っていたが、水の皿を置いて、安全な距離まで下がって見ていると、ゆっくりとだが皿に近寄って動きだした。見たところ血は出ていないようだし、脚を引きずっているようすもない。身体のどこかを嘗めているようすも見えない(動物は怪我をしたり、痛いときはその部分をしきりに嘗めるものだ)。とりあえずは大丈夫だろうと踏んで、猫をそのままにして家に戻った。

まったく、朝っぱらから近所中に犬の嬌声と管理人の怒号が響き渡る大騒ぎである。もしかして、ものすご〜く訓練の入った使役犬みたいな犬ならば「No Come」と言えば飼い主の元におとなしく戻ってくるのかもしれないが、ハウンドの本能に火がついてしまった2頭のフツーの犬をフツーの飼い主が扱うのは、やはり容易ではない。

それにしても、猫を取り囲んで巧く逃げ道を塞ぎ、ジリジリと追いつめながら歓喜の声をあげている2頭を見て、やはりこいつらの祖先は猟犬なのだ、こいつらは猟をするために生まれてきているのだ、とつくづく思った。猟のしかたなど教えたことはないのに、ちゃんとポジションをとって、群で猟をするあたり、犬の本能はすごいとつくづく感心する。1年教えてもいまだにフセができないのに、どうしてそういうことは教えなくてもできるのやら……これをヒントにまた新たな姫のトレーニング方法を考えなければと頭をひねる管理人である。

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ニックネーム 犬猫屋敷の管理人 at 13:46| Comment(8) | TrackBack(0) | うちのコたちの話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする